Python 3でここまでできるWebプログラミング
日本語のセッションで最後に紹介するのは16日の15:15-16:00に行われる「Python 3でここまでできるWebプログラミング」です。
スピーカーの小田切篤さんにセッションの説明をしていただきました。
Python 3がリリースされてからすでに3年が経とうとしています。今年は3.3がすでにb2(2012/08/21現在)までリリースされ(注1)、PyCon JP 2012開催直後にはfinalリリースが予定されています。Webアプリケーションの分野では3.2リリースと同時期にPEP3333が公開され、多くのWebアプリケーションフレームワークがPython 3対応に意欲的になっています。今、Python 3でWebアプリケーションをどこまで作れるのか。ライブラリやフレームワークの対応状況と、実際にPython 3でWebアプリケーションを作る場合の検討事項を紹介します。
(注1:コメントを頂いたときにはb2までのリリースでしたが、現在(2012/08/28)はrc1がリリースされています)
小田切さんはpyramid1.2のroute_prefix対応などを行い、今年のEuroPythonでもLTを行った日本を代表するPythonライブラリのコントリビュータです。特にPython 3対応ではdeformやcolanderをはじめいくつものライブラリの対応を行い、その方法について勉強会で発表を行うなど日本における第一人者です。
そんな小田切さんが満を持して講演する「Python 3でここまでできるWebプログラミング」。いつPython 3に移行できるのか? というのはPythonistaの関心事の一つだと思いますが、つい先日DjangoもPython 3でのテストが全部通ったとのことですし、Python 3への移行が間近なのかもしれません。Pythonの未来に感心がある方は必見です!
Gunicorn what’s next? The new web challenge
これから2つは英語のセッションです。まず紹介するのは15日の15:30-16:15に行われる「Gunicorn what’s next? The new web challenge」です。
Gunicornは、WSGIアプリケーションのためのHTTPサーバーです。Linux/UNIXで動作し、軽量で高速な動作が特徴です。Pythonモジュールの形式であり、ワーカープロセスのクラスを変更したり、サーバー自体を拡張したりできます。これらの特徴からGunicornは非常に人気を博しており、WSGIアプリケーションのためのHTTPサーバーの定番と言っても過言ではありません。
スピーカーのBenoit Chesneauさんはパリ在住のフランス人で、PyCon JPに参加するために来日してくれるそうです。Benoit ChesneauさんはApache CouchDBのコミッターで、Gunicornの作者でもあります。
このセッションでは作者自らがGunicornの現在の設計と、Webの新しい潮流であるSPDYやWebsockets, Green computing等に対応するにはどんな修正が必要になるのか、そして将来のメジャーリリースで導入される新機能について解説してくれます。Gunicornを使っている人も使っていない人もPythonでwebに関わる人は絶対に聞くべき、一般講演で本当に良いんだろうかというくらい贅沢な講演です! 僕も苦手な英語ですが頑張って聞こうと思っています。
Fundamental Technologies Used in PyPy JIT Compiler
最後に紹介するのは16日の10:00-10:45に行われる「Fundamental Technologies Used in PyPy JIT Compiler」です。
PyPyとはPythonで記述されたPythonの処理系で、Pythonの処理系の中で一番メジャーなCPythonよりも速いため近年注目を集めています。JITコンパイラはVMの実行時にバイトコードの一部をネイティブコードにコンパイルし、コンパイルした部分の以降の処理を高速化する技術です。PyPyでは、このJITコンパイラを独自の技術と組み合わせて実装しており、Pythonインタプリタにおいて劇的な高速化を実現することに成功しています。本セッションでは、近年JITコンパイラで使われている基本的な技術と、PyPyで使われているJITコンパイラの独自の技術についての紹介と、それが高速化にどう寄与しているかについて、大学院でJITコンパイラの研究を行われていた池田涼太郎さんにお話しいただきます。
池田さんに意気込みを伺いました。
PyPyに搭載されているJITコンパイラは、動的言語に対するJITコンパイラの研究の中でも極めて有効的な成果を出しており、紛れもなくJITコンパイラの最先端の研究の一つです。ところが、Google Chromeに搭載されているJavaScriptのJIT付きの処理系であるV8と比べ、同じ動的言語処理系におけるJITコンパイラの一つであるにもかかわらずあまり知名度が高くないように感じます。本講演を通して、PyPyに搭載されているJITコンパイラがどんなものなのか、また、それのどこがどう凄いのかを知っていただき、そして将来的にどのような使い方ができるのかなどのビジョンを持っていただけたらと考えています。PyCon JPでの、かつ、英語での発表は初めてでいろいろと不安なのが正直なところですが、1人でも多くの方にPyPyのことをより深く知っていただけたら嬉しく思います。よろしくお願いいたします。
Pythonで記述されたPython処理系でしかも速い、PyPyはPythonistaにとって夢のような技術です。しかもPythonに限らず、同じようにPyPyの技術を利用して実装したPHPの処理系(PyPy Blogでの紹介エントリ)などでも速度の向上が確認されています。将来的にさまざまな可能性を秘めるPyPyは時代を先取るものかもしれません。 英語だからと敬遠せずにぜひ聞いてみてください!
まとめと次回
今回はプログラム担当による見所セッションの紹介でした。皆様のセッション選別の参考になりましたでしょうか。他にも魅力的なセッションは沢山ありますので、セッション一覧をご覧ください。
次回は前回PyCon JP 2011で盛況だったハンズオンセッションの紹介です。Python初心者から中級者まで幅広い方に参加いただける内容となっていますので、ぜひチェックしてみてください。
