iOS機器とAndroid機器にデプロイ可能なアプリケーションのビルド
Worklightは、「common」という名前の1つのフォルダーに格納された共通ソース・ファイル(HTML、CSS、およびJavaScript)と、プラットフォームごとのフォルダーに格納されたプラットフォーム固有のファイル(Android用のファイルは「android」フォルダーに、iPhone用のファイルは「iphone」フォルダーに格納されるといった具合です)で構成されます。例えば、iOSとAndroidのビルドはjQueryを使用するので、「jquery.js」ファイルが「common」フォルダーに置かれます。iOS固有のコードがある場合には、JavaScriptコードは「ios-plugin.js」ファイルに記述されて、「common/js」フォルダーではなく「iphone/js」フォルダーに格納されることになります。Worklightは共通ファイルを特定の機器の環境のそれぞれに対応させます。
ソース・コードをデプロイする準備ができたら、後は、Androidアプリケーションを右クリックして「Run As(実行)」 > 「Build All and Deploy(すべてをビルドしてデプロイ)」の順に選択するだけです(図15を参照)。この操作によって、アプリケーションのタイトルが名前として付けられた新しいフォルダー(「<アプリケーション名>Android」フォルダー)がワークスペースに出現します。
次に、その生成されたアプリケーション・プロジェクトを右クリックして、「Run As(実行)」 > 「Android Application(Android アプリケーション)」の順に選択します(図16を参照)。実際のAndroidフォンがUSBで接続されていて、設定で開発モードが有効になっていれば、アプリケーションがAndroidフォンで自動的に実行されます。そうでない場合は、既存のAVD(Android Virtual Device)でアプリケーションが実行され、それによってエミュレーターが起動されて、上記で入力した「Hello World」文字列が表示されます(図16と図17を参照)。
アプリケーションをiOS機器にデプロイする手順も、Androidの場合と同様です。iPhoneアプリケーションを右クリックして「Run As(実行)」 > 「Build All and Deploy(すべてをビルドしてデプロイ)」の順に選択し、生成されたアプリケーション・プロジェクトを右クリックして、「Run As(実行)」 > 「Xcode project(Xcode プロジェクト)」の順にクリックします(図18を参照)。Xcodeで、実際の機器を選択するか、iPhoneまたはiPadシミュレーターを選択してから、「Run(実行)」ボタンをクリックします(図19を参照)。図20に、iPhone環境で実行中のアプリケーションを示します。
まとめ
この入門記事では、Worklight開発環境をセットアップし、iPhoneとAndroidの両方を対象とした単純な「Hello World」サンプル・アプリケーションを作成しました。このセットアップにはWorklightサーバー・ランタイムとすべてのサポート・ソフトウェアが組み込まれているため、Todoアプリケーションにアプリケーション・ロジックとコンテンツを追加する準備はできています。今回の記事で行った手順では、アプリケーションを作成して機器またはシミュレーターでテストするという開発ワークフローの反復をどのように行うことになるかを大まかに示しました。
Worklightには、すべての機能を無期限で使用できるDeveloper Editionが提供されています(WindowsおよびMacに対応)。ぜひ実際に触って使い勝手をお試しください。
参考文献
学ぶために
- Worklight製品情報
- Worklightドキュメント
- Apple開発者向けサイト
- Worklightの開始手順
- ボイラープレート・コード
- Worklight Studio
- IBM developerWorks Worklightゾーン
- IBM developerWorks WebSphereゾーン