メールボックスのインポート
管理者側の事前準備
ここでも、管理者の作業はアナウンスのみです。
ユーザーの作業
先の手順でエクスポートした.pstファイルをOutlook 2013上にインポートします。
[ファイル]-[開く/エクスポート]-[インポート/エクスポート]を選択します(図18)。
インポート/エクスポートウィザードで[他のプログラムまたはファイルからのインポート]を選択し、[次へ]ボタンをクリックします(図19)。
ファイルのインポートダイアログで[Outlookデータファイル]を選択し、[次へ]ボタンをクリックします(図20)。
Outlookデータファイルのインポートダイアログで[先の手順でエクスポートしたOutlookデータファイルのパス]を選択し、[次へ]ボタンをクリックします(図21)。
Outlookデータファイルのインポートダイアログで[Outlookデータファイル]を選択し、[サブフォルダを含む]にチェックを付けた後、完了ボタンをクリックします(図22)。
後はインポート完了するまで待機するだけです。インポート時間はエクスポートしたファイルサイズに依存します。
インポート完了後、OutlookにインポートされたデータはExchange Online上にアップロードされるため、社内のLAN回線などに接続できる状態で実施すると良いでしょう。LTE回線など、一か月で利用できる転送量が限定されている場合は注意が必要です。
Outlook Fix it(パッチ)の適用
管理者側の事前準備
ここでも、管理者の作業はアナウンスのみです。
ユーザーの作業
Exchange OnlineとOutlook連携で使用する際に、アドレス帳に関して既知の問題があります。
- Outlookに表示されるアドレス帳が空白となる
- 名前ソート固定となりフリガナ順に並ばない
上記現象に遭遇した際はFix itの適用で現象を回避できます。
Fix itの適用方法ですが、このリンクを開き中段にある[Fix itで解決する]という項目にあるFix itバナーをクリックし、ファイルをダウンロード後実行するだけです。
実行後、再起動が要求される点にご注意ください。
インストールし、再起動後、各リスト内にアドレスが表示されることが確認できれば対応完了です。
まとめ
今回はOffice 365にユーザーが移行する際の初期設定についてご紹介いたしました。記事だけ見ると、大幅な作業が発生すると思われるでしょう。しかし実際に実施してみると待ち時間の方が多くなるような移行手順です。極端な話、通常の作業の片手間で移行作業することも不可能ではありません。
しかし移行が完了しても、管理者の作業がそこで終わったとは言えません。著者の所属している企業では、社内で存在していなかった利用方法に関する教育を度々実施してきました。例えばSharePoint Onlineの活用方法、Exchange Onlineにおける施設・設備予約、Lync OnlineのWeb会議方法、Office 365のWebポータルの基本的設定方法などが、それに該当します。
管理者側の観点としても管理者がすべての情報を抑えているのではなく、自身が不在の際でもメーリングリストの追加、変更登録方法など、マニュアルを作成するには、相応のコストが発生します。
しかしサーバー管理やバージョンアップ、ライセンス管理などから解放される分、本来の仕事に注力しやすくなったのは紛れもない事実です。
ぜひ本連載をもとにOffice 365に興味を持っていただき、実際に触れ、社内導入を検討していただけると幸いです。