3. Liberty Core用アプリケーション開発ツールの導入
前述のとおり、Liberty Coreの第一のフォーカスは開発時のストレス軽減にある。そこで本稿では、実際にLiberty Coreを使って簡単なWebアプリケーションを作成、実行してみたい。
Liberty Coreを導入する方法には、次の3種類がある。
- IBM Installation Managerを使ってインストールする
- 自己展開圧縮JARファイルをダウンロードして展開する
- Eclipse用プラグイン「WebSphere Application Server Developer Tools(WDT)」を利用する
開発用途であれば3番目のWDTを使う方法が一番手軽とのことなので、今回はそれを利用してみる。Eclipseのパッケージは4.3(Kepler)のJava EE Developers(Pleiadesで日本語化済み)で、プラグインは「IBM WebSphere Application Server V8.5.5 Liberty Profile Developer Tools for Eclipse Juno & Kepler V8.5.5.1」を使用する。
Liberty Profile Developer ToolsはEclipseのマーケットプレースからインストールできるので、まずは[ヘルプ]-[Eclipse マーケットプレース]を選択してマーケットプレースを立ち上げる。「WebSphere Liberty」で検索をかければ、図3.1のように対象のプラグインが見つかるはずなので、[インストール]をクリックしてインストールを開始する。
フィーチャーの選択画面では4つの機能が表示されるが、すべて選択しておけば問題ないだろう。
ライセンスが表示されるので、同意してインストールを実行する。途中で「署名なしコンテンツを含む」という旨のセキュリティー警告が表示されるが、特に理由がなければ続行しても問題ない。インストールが完了したら、画面の指示に従ってEclipseを再起動すれば、Libertyプロファイルが利用できるようになる。
続いてLibertyプロファイルのサーバー定義を作成しよう。ワークベンチのサーバー・ビュー上(図3.3)で右クリックして[New]-[Server]を選択し、新規サーバーウィザードを立ち上げ、図3.4のようにサーバータイプは[IBM]-[WebSphere Application Server V8.5 Liberty Profile]を選択し、任意のホスト名とサーバー名を記入して[次へ]をクリックする。
図3.5のようにLiberty Profileのランタイム環境を設定する画面になるので、[download or install]のリンクをクリックする。ただし、もしすでに他の方法でPCにランタイムがインストールされている場合には、[参照]をクリックしてそのパスを指定してもよい。
ランタイムのインストール画面では、図3.6のように[Download and install a new environment from:]にチェックを入れ、使用するランタイムの種類を選択する。今回は、現行バージョンである「V8.5.5.1 Liberty Profile」を使用した。なお、「8.5.5.Next Alpha Liberty Profile」というのは、次期バージョンに搭載される予定の最新機能を試すことができるパッケージだ。また、もしローカルにLibertyプロファイルのアーカイブをダウンロードしてある場合には、そのパスを指定してインストールすることもできる。
[次へ]をクリックするとアドオンの選択画面になり、追加で導入する機能などがインストールできる。各種サンプルアプリケーションなどもここでインストールすることが可能だ。
最後に、Libertyプロファイルをインストールするディレクトリを指定する。これは任意の空ディレクトリのパスを指定すればよい。
[完了]をクリックすればインストールが実施され、成功すると図3.9のように再度ランタイム環境の設定画面に戻ってくるので、[次へ]で先に進む。ただし、もし複数のJREがインストールされている場合には、ここで使用するJREを指定しておく必要がある。
最後に、サーバー名に任意の名前を記入し、[完了]をクリックすればLibertyプロファイルの初期設定は完了だ。
すべてEclipseのウィザード上で設定できるので、Eclipseに慣れたユーザーであれば特に迷うことなく導入できるのではないだろうか。