キットの組立
この手のキットの組立経験があれば、安価なキットを購入して自分で組み立てるのが良いでしょう。自信がない場合は、完成品の購入をお薦めします。組立には下記のスキルが必須です。
-
表面実装部品のハンダ付け経験(1608以下)
1608とは表面実装部品の大きさを指します。1.6mm x 0.8mmの抵抗やコンデンサをハンダ付けすることになります。
-
マイコンの開発ツールのインストールと利用
ブートローダまでは出荷時に書き込んであります。irMagicianとして利用するには、ブートローダを起動させ、ファームウェアを書き込みます。この書き込みツールを利用するためのスキルも必要になります。
筆者自身、さまざまな電子工作キットの製作経験がありますが、その中でも、irMagicianのキットの組立は比較的難しい部類だと考えます。部品点数は少ないですが、ハンダ付けが難しい部類の部品が重要部品になっているからです。また、先にも述べましたが、製作した後に開発ツールを用いて、ファームウェアの書き込みも必要になるからです。逆に言えばirMagicianの組立が出来れば、大抵のキットの組立ができるようになると思われます。
準備
部品表(部品の?確認)
部品がすべて揃っているかの確認をします。欠品がある場合は、製作はせずに販売元に問い合わせます。
- 抵抗 R1, R2, R5, R6 1K Ω 5ヶ(一ヶ予備)
- 抵抗 R3 1.5K Ω 2ヶ(一ヶ予備)
- 抵抗 R4 33 Ω 1ヶ
- コンデンサ C1, C2 0.1uF 3ヶ(一ヶ予備)
- セラロック 1ヶ
- マイコン 1ヶ(ブートローダ書き込み済み)
- マイクロUSBコネクタ 1ヶ
- LED 緑色 黄色 各1ヶ
- LED 赤外線
- トランジスタ(FET) 1ヶ
- IRセンサ 1ヶ
- 基板 1枚
工具
- ハンダごて
- ニッパ
- ピンセット
- フラックス
- ハンダ吸い取り線
測定器
- テスタ
PC
書き込みソフトとファームウェアが準備されていること。
ハンダ付け
以下にハンダ付けの順番を示します。必ずしもこの順番を厳守する必要はありませんが、原則として「背の低い部品から順番にハンダ付けしていく」というのがあります。
セラロック
1. 予備ハンダ
ハンダ面がほとんど露出していないので、三端子、すべての面に予備ハンダを施します。
2. フラックスの塗布
予備ハンダの上にフラックスを塗ります。
3. 部品の位置合わせ
セラロックのハンダ面と基板のハンダ面を合わせます。
4. ハンダ付け
セラロックの横から、ハンダ面に触れるように三か所同時に加熱します。
5. 「平手コテ返し」
「平手コテ返し」勝手に命名しています。ピンセットでセラロックを抑えながら、セラロック方向にハンダごてを巻き込みながら離します。
6. 導通確認
セラロックの直上と横にビア(貫通穴)があるので、セラロックの側面にある端子露出部と導通確認します。
抵抗、コンデンサ、トランジスタのハンダ付け
これらの表面実装部品のハンダ付けの一般的な方法は以下のとおりです。
- どちらか一方の端子に予備ハンダを行います。
- ピンセットでつまみながら、片方だけハンダ付けを行います。
- 予備ハンダ側の端子がすべて終了したら、未ハンダ側も行います。
部品はすべて、固定されている状態になっています。基板の端子面のみを加熱します(表面実装部品には触れない)。加熱はすぐに行われますので、適量ハンダ付けします。ポイントは部品にハンダコテが触れると、部品が動いてしまうのを防ぐことにあります。