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システム環境の明後日を支える新技術

IoT時代を支えるプロトコル「MQTT」(後編)

システム環境の明後日を支える新技術(6)

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IoTを支える技術

 前述のようにMQTTのシステム設計にはさまざまな考慮が必要です。いずれも万全のセキュリティを考慮した設計を考える必要なのです。図16はMQTTに対するセキュリティ上の脅威を分析し簡単にまとめたものです。

図16. MQTTが抱えるセキュリティ上の脅威(簡易版)
図16. MQTTが抱えるセキュリティ上の脅威(簡易版)

 つい先ごろ、InformationWeek DARKReadingに『Internet Of Things Contains Average Of 25 Vulnerabilities Per Device』という記事が掲載されました。現段階においてIoT(Internet of Things)は、まだまだ草創期も早い段階にあります。しかしながら、一度IoTデバイスを展開した場合、セキュリティ上の脅威や脆弱性が発見されたとしても、すべてを一気に改善することは不可能に近いとも言えます。現在我々を取り巻くインターネットでは、ウイルス感染によりボット化した膨大な数のコンピュータが全世界に存在しています。

 IoTでも、それと同じことが起きないとは限りません。過去の教訓からも、我々は適切な道を選択していく必要があるのです。

 暗い話題で終わってしまうのも切なくなりますので、最後にIoTを支えるプラットフォームのお話で締め括りたいと思います。図17はIoTなどさまざまなデバイスからのメッセージングをさせるプラットフォームを提供するPubNub社のページです。

図17. The PubNub Data Stream Network
図17. The PubNub Data Stream Network

 前述の「MQTTのシステム設計上の課題」や「図16. MQTTが抱えるセキュリティ上の脅威(簡易版)」でもご紹介しましたが、安全安心を担保するメッセージングシステムには、専門的な知識と運用ノウハウが必要です。まだまだ未知数ではありますが、IoTを支えるさまざまな技術として、こういったサービス事業者の勃興も期待されるとことです。

 さて、IoT時代を支えるプロトコルMQTTとして前編・中編・後編を駆け足で解説してきました。まずは読者の皆様にIoTを取り巻く環境とそれを支える技術について共有すべく、非常に簡単な部分からご紹介を致しました。

 この連載を通じて筆者自身も「まだまだ紹介したりてないところがたくさんある」と感じています。また機会を見つけまして、IoTを取り巻く環境、説明し足りていないMQTTの技術詳細などをご紹介していければと思います。長文をお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8020 2014/09/30 14:00

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