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ASP.NET Identity入門

ASP.NET Identity 2.0の新機能
~メールを使ったアカウントの確認

ASP.NET Identity入門 第6回

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 ASP.NET Identity 2.0の新機能として、前回に引き続き、メールと連携する機能について紹介していきます。前回はASP.NET Identityのメール連携機能を使用するため、メール送信処理の実装まで行いました。今回は送信したメールを使用した「アカウントの確認」機能について、その実装方法とともに詳しく紹介します。

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確認処理

 前回に続き、アカウントの確認処理を実装していきましょう。前回記事に掲載した動作イメージのうち、(2)の確認メールを送信するまでの実装が終了したのでしたね。今回はその後の(3)確認処理から説明していきます。

 メールで送信した確認用URLをクリックすると、「確認ページ」が表示されます。この確認ページでは、URLのクエリパラメータとして設定された確認トークンを検証し、妥当であればユーザーの確認を完了します。

 確認ページのコードはテンプレートで生成されたまま変更する必要はありません。まずは確認ページから見ていきましょう(リスト1)。

リスト1 アカウントの確認ページ(Account\Confirm.aspx)
<%@ Page Title="アカウントの確認" Language="C#" MasterPageFile="~/Site.Master"
  AutoEventWireup="true" CodeBehind="Confirm.aspx.cs"
  Inherits="ConfirmationWebFormApp.Account.Confirm" Async="true" %>

<asp:Content runat="server" ID="BodyContent" ContentPlaceHolderID="MainContent">
  <h2><%: Title %>。</h2>

  <div>
    <%--(1)確認成功時に表示 --%>
    <asp:PlaceHolder runat="server" ID="successPanel" ViewStateMode="Disabled" Visible="true">
      <p>
        アカウントをご確認いただき、ありがとうごいます。ログインするには
        <asp:HyperLink ID="login" runat="server" NavigateUrl="~/Account/Login">こちら</asp:HyperLink>
        をクリックしてください             
      </p>
    </asp:PlaceHolder>
    <%--(2)確認失敗時に表示 --%>
    <asp:PlaceHolder runat="server" ID="errorPanel" ViewStateMode="Disabled" Visible="false">
      <p class="text-danger">
        エラーが発生しました。
      </p>
    </asp:PlaceHolder>
  </div>
</asp:Content>
(1) 確認成功時に表示

 後述するコードビハインドのPage.Loadイベントハンドラーで行われた確認処理の結果、確認に成功したらその旨とログインページヘのリンクを表示します。

(2) 確認失敗時に表示

 確認処理に失敗した場合は、エラーが発生したことを通知します。

 次に、実際のコードビハインドに記載された確認処理を見てみましょう(リスト2)。

リスト2 確認処理(Account\Confirm.aspx.csより)
protected void Page_Load(object sender, EventArgs e)
{
  //(1)確認トークン取得
  string code = IdentityHelper.GetCodeFromRequest(Request);
  //(2)ユーザーID取得
  string userId = IdentityHelper.GetUserIdFromRequest(Request);
  if (code != null && userId != null)
  {
    var manager = Context.GetOwinContext().GetUserManager<ApplicationUserManager>();
    //(3)アカウントの確認実行
    var result = manager.ConfirmEmail(userId, code);
    if (result.Succeeded)
    {
      //(4)成功時パネルを表示
      successPanel.Visible = true;
      return;
    }
  }
  //(5)失敗時パネルのみ表示
  successPanel.Visible = false;
  errorPanel.Visible = true;
}
(1) 確認トークン取得

 確認メールのリンクに含めたURLから確認トークンの値を取得します。

 確認トークンはクエリ文字列のcodeパラメータに設定されており、IdentityHelperクラスのGetCodeFromRequestメソッドを使って取得できます。

(2) ユーザーID取得

 確認トークンと同じように、確認メールのリンクに含めたURLからユーザーIDの値を取得します。

 ユーザーIDはクエリ文字列のuserIdパラメータに設定されており、IdentityHelperクラスのGetUserIdFromRequestメソッドを使って取得できます。

(3) アカウントの確認実行

 UserManager<TUser>クラスのConfirmEmail拡張メソッドを使い、アカウントの確認を行います。このメソッドは引数にユーザーIDと確認トークンを使い、その確認トークンがユーザーIDで指定したユーザーに対して発行されたものであることを確認します。

(4) 成功時パネルを表示する

 アカウントの確認に成功したら、確認成功時用のPlaceHolderのVisibleプロパティをtrueにします。

(5) 失敗時パネルを表示する

 アカウントの確認に失敗したら、確認成功時用のPlaceHolderのVisibleプロパティをfalseに、失敗時用のPlaceHolderのVisibleプロパティをtrueにします。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高野 将(タカノ ショウ)

<個人紹介>新潟県長岡市在住の在宅リモートワークプログラマー。家事や育児、仕事の合間に長岡IT開発者勉強会(NDS)、Niigata.NET、TDDBCなどのコミュニティに関わったり、Web記事や書籍などの執筆を行ったりしている。著書に『アプリを作ろう! Visual C#入門 Visual C# 2017対応』(日経BP社、2017)など。<WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8181 2014/10/17 14:00

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