確認処理
前回に続き、アカウントの確認処理を実装していきましょう。前回記事に掲載した動作イメージのうち、(2)の確認メールを送信するまでの実装が終了したのでしたね。今回はその後の(3)確認処理から説明していきます。
メールで送信した確認用URLをクリックすると、「確認ページ」が表示されます。この確認ページでは、URLのクエリパラメータとして設定された確認トークンを検証し、妥当であればユーザーの確認を完了します。
確認ページのコードはテンプレートで生成されたまま変更する必要はありません。まずは確認ページから見ていきましょう(リスト1)。
<%@ Page Title="アカウントの確認" Language="C#" MasterPageFile="~/Site.Master" AutoEventWireup="true" CodeBehind="Confirm.aspx.cs" Inherits="ConfirmationWebFormApp.Account.Confirm" Async="true" %> <asp:Content runat="server" ID="BodyContent" ContentPlaceHolderID="MainContent"> <h2><%: Title %>。</h2> <div> <%--(1)確認成功時に表示 --%> <asp:PlaceHolder runat="server" ID="successPanel" ViewStateMode="Disabled" Visible="true"> <p> アカウントをご確認いただき、ありがとうごいます。ログインするには <asp:HyperLink ID="login" runat="server" NavigateUrl="~/Account/Login">こちら</asp:HyperLink> をクリックしてください </p> </asp:PlaceHolder> <%--(2)確認失敗時に表示 --%> <asp:PlaceHolder runat="server" ID="errorPanel" ViewStateMode="Disabled" Visible="false"> <p class="text-danger"> エラーが発生しました。 </p> </asp:PlaceHolder> </div> </asp:Content>
(1) 確認成功時に表示
後述するコードビハインドのPage.Loadイベントハンドラーで行われた確認処理の結果、確認に成功したらその旨とログインページヘのリンクを表示します。
(2) 確認失敗時に表示
確認処理に失敗した場合は、エラーが発生したことを通知します。
次に、実際のコードビハインドに記載された確認処理を見てみましょう(リスト2)。
protected void Page_Load(object sender, EventArgs e) { //(1)確認トークン取得 string code = IdentityHelper.GetCodeFromRequest(Request); //(2)ユーザーID取得 string userId = IdentityHelper.GetUserIdFromRequest(Request); if (code != null && userId != null) { var manager = Context.GetOwinContext().GetUserManager<ApplicationUserManager>(); //(3)アカウントの確認実行 var result = manager.ConfirmEmail(userId, code); if (result.Succeeded) { //(4)成功時パネルを表示 successPanel.Visible = true; return; } } //(5)失敗時パネルのみ表示 successPanel.Visible = false; errorPanel.Visible = true; }
(1) 確認トークン取得
確認メールのリンクに含めたURLから確認トークンの値を取得します。
確認トークンはクエリ文字列のcodeパラメータに設定されており、IdentityHelperクラスのGetCodeFromRequestメソッドを使って取得できます。
(2) ユーザーID取得
確認トークンと同じように、確認メールのリンクに含めたURLからユーザーIDの値を取得します。
ユーザーIDはクエリ文字列のuserIdパラメータに設定されており、IdentityHelperクラスのGetUserIdFromRequestメソッドを使って取得できます。
(3) アカウントの確認実行
UserManager<TUser>クラスのConfirmEmail拡張メソッドを使い、アカウントの確認を行います。このメソッドは引数にユーザーIDと確認トークンを使い、その確認トークンがユーザーIDで指定したユーザーに対して発行されたものであることを確認します。
(4) 成功時パネルを表示する
アカウントの確認に成功したら、確認成功時用のPlaceHolderのVisibleプロパティをtrueにします。
(5) 失敗時パネルを表示する
アカウントの確認に失敗したら、確認成功時用のPlaceHolderのVisibleプロパティをfalseに、失敗時用のPlaceHolderのVisibleプロパティをtrueにします。