WebベースのオンラインIDEを使う
mbedの便利な点は、特別なソフトウェアをインストールしなくてもブラウザ上で開発ができることです。インターネットに接続できるPCがあれば、ブラウザからARM社のデベロッパーサイト「ARM mbed Developer Site」にユーザ登録することにより、オンラインIDEを利用できます。
ここからは、mbedで動くプログラムの開発に、WebベースのオンラインIDEを使う場合の手順を簡単にご紹介します。
PCとmbedを用意する
インターネット接続可能なPCを用意します。PCのOSは、Windows、Mac、Linuxが利用できます。ブラウザはできるだけ最新バージョンを利用しましょう。インターネットで参考情報を得られやすく利用実績のある、一般的なブラウザを使うことをおすすめします。そのほうが、もし問題が起きても調査や解決が容易になります。
PCのUSBポートにmbedを接続します。正しく接続できれば、USBメモリと同じように、OSからは外部デバイスとして認識されます(図3はMac OS Xのイメージです)。
「ARM mbed Developer Site」にユーザ登録する
mbedのオンラインIDEを初めて使用する場合は、ARM mbed Developer Siteにユーザ登録をします。ユーザ登録までの流れを解説します(ユーザ登録済みの方は、この手順を飛ばしログインを済ませておいてください)。
MBEDドライブ内にある「MBED.HTM」ファイルを開くと、ブラウザで「ARM mbed Developer Site」が開きます。
「Login or signup」をクリックします。
「Signup」をクリックします。
「No, I haven't create an account before」をクリックすると、ユーザ登録に必要な情報を入力する欄が表示されます。メールアドレス、ユーザ名、パスワード、公開する名前(姓)、国、CAPTCHA(画像認証)の入力、利用規約の確認をして問題なければ同意にチェックし、「Signup」をクリックします。
以上でユーザ登録が完了しました。
サンプルプログラムのコンパイルと動作確認
それでは実際に、オンラインIDEを使って動作確認用のサンプルプログラム「HelloWorld」をコンパイルし、mbedの基板上のLEDを点滅させてみましょう。よくある"Hello world!"を表示するプログラムではなく、mbedではLEDをチカチカさせることから始まります。
ARM mbed Developer Siteにログインします。
「Compiler」をクリックし、オンラインIDE(「mbed Compiler Workspace Management」)を開きます。
「HelloWorld」をインポートします。開発ツールの「import a program」をクリックします。
インポート可能なプログラムやライブラリの一覧から「HelloWorld」の行をクリックで選択して「Import!」をクリックしましょう。ダイアログボックスが表示されたら、さらに「Import」ボタンをクリックしてください。
開発ツールのワークスペース(Program Workspace)に、「HelloWorld」をインポートすることができました。
サンプルプログラムをコンパイルします。オンラインIDEのメニューから「Compile」をクリックします。
コンパイルに成功すると「Success!」というメッセージが出力されます。
コンパイル後のバイナリファイルが自動でダウンロードされます。
バイナリファイルをMBEDドライブにコピーします。
きちんとバイナリファイルがディスクに書き込めたことを確認するため、OSの操作でMBEDドライブを取り出しましょう。
mbed基板の中央にある黒丸のリセットボタンを指で押すと、4つ並んだLEDのうち1つがチカチカ点滅し始めます。
以上で、サンプルプログラムの動作確認ができました。
製品説明ページについて
サンプルプログラムはmbed LPC1768 基板の説明ページからインポートすることもできます。
mbedと接続可能な入出力デバイス(センサや液晶モニタなど)についても同様に、製品ごとの説明ページから動作確認用のサンプルプログラムをインポートできるようになっていることが多いです。製品仕様やAPIなどが掲載されているため、製品購入前や開発時には参照してみることをおすすめします。