カジュアルに「モノのインターネット」を楽しむために
さくらインターネット研究所では3~5年先に使われる(かもしれない)技術調査を日々行っています。本連載でも「明日使う」技術ではなく「明後日使う」技術について、注目して読者の皆さまに情報共有しています。
そしてモノのインターネットも日々進化しています。図1は、連載の前回ではお伝えできなかった、さらに新しい情報を追加したものです。ここには国内未発表のモノを含めて、デバイスを普段使いできる環境が整いつつも国内でその情報が整理されていなかったモノをピックアップしました。小型の3G/WiFiルーター、MPUを搭載したWiFi+I/Oモジュール、次世代技術であるIPv6 over Bluetoothに対応したBluetoothモジュールなどがすでに世界で流通しています。これらはセンサーや制御デバイスをインターネットへつなげる重要な要素です。
とはいえ、デバイスの使い方が分からなければ「絵に描いた餅」です。知っている人は知っていて、まったく情報が整理されていなかった、これらのデバイスについて見ていきましょう。図2は. モノをインターネットへつなげるデバイスと開発環境を情報整理したものです(後ほど、詳しい使い方を解説します)。
基本的な考え方は「I/O制御する」「TCP/IP接続する」「アプリケーションを動作させる」「開発環境から実行ファイルをインストールする」の4つの要素から成り立っています。Arduino IDEやGCC-ARMの開発環境でアプリケーションを作成し、それを投入することがUSB接続でできるようになっています。
ホビーで組み込みをされている方にとっては、むしろ「ブレッドボード」や「はんだごて」で配線されるほうが、しっくり来るかとは思いますが、「普段使い」の「カジュアル」な開発を考えたときは、こういった開発環境が最初からあるのは、とても楽かと思います。
やや脱線しますが、「モノをインターネットにつなげる」ことを考えたときはこういった安価なデバイスが流通していてくれるのは、とてもありがたいことです。図3は、筆者がまとめたモノのインターネットのデバイス価格の下落傾向と国内流通の未来予測です。やや乱暴な絵ではありますが、おおよそ「モノをインターネットへつなげる」ために必要な全体的なコストが見えてくるのではないでしょうか(※図中には、技術基準適合証明前の国内未発売の製品情報もざっくりと含めています)。
それでは、次に今回紹介したデバイスの開発環境について簡単に見ていきましょう。