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システム環境の明後日を支える新技術

続・モノのインターネットのこれから
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システム環境の明後日を支える新技術(8)

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ESP-WROOM-02(ESP8266)開発環境を試してみる

 ESP-WROOM-02は、32-bit MCUを持ち、TCP/IP protocol stack、SDIO、HSPI、UART、I2C、I2S対応、IEEE 802.11b/g/n対応という機能を備えた、Arduino IDE開発環境からアプリケーション開発を行えるデバイスです。日本国内においても技術基準適合証明済みであり、モジュール自体が安価です。筆者は、合同会社ランニングエレクトロニクスの「ESP-WROOM-02 USB付きBreakout基板」や株式会社スイッチサイエンスの「ESP-WROOM-02開発ボード」を使っています。

1. Arduino IDE(Windows)をインストールする

 それでは、図4のようにArduino IDE(Windows)をインストールしてみましょう。

図4. Arduino IDE(Windows)をインストールする
図4. Arduino IDE(Windows)をインストールする

2. Aruduino IDEの環境を設定する

 [File]-[Preferences]を開き、"http://arduino.esp8266.com/stable/package_esp8266com_index.json"を追加します。

図5. Aruduino IDEの環境を設定する
図5. Aruduino IDEの環境を設定する

3. ESP8266開発環境を準備する

 続いて、図6のようにESP-WROOM-02(ESP8266)向けのボード関連設定とライブラリを追加します。今回の例では、MQTT PublisherをWiFi経由で行わせるサンプル・アプリケーションを作ります。なお、ESP8266は、ESP-WROOM-02に使われているEspressif Systems社製チップの型番です。

  • [Tools]-[Board:]-[Boards Manager...]を開き、「esp8266 by ESP8266 Community」をインストールする
  • [Tools]-[Board:]を開き、「Generic ESP8266 module.」を選択する
  • [Sketch]-[Include Libray]-[Manage Libraries]-[PubSubClient]を選択しインストールする
図6. ESP8266開発環境を準備する。
図6. ESP8266開発環境を準備する。

4. サンプル・アプリケーションをコンパイルしESP8266へ書き込む

 開発環境が準備できたら、[File]-[Examples]-[PubSubClient]-[mqtt_esp8266]を開き、編集・コンパイル・書き込みを行いましょう(図7)。この際、WiFi SSIDやPASSWORD、MQTT Broker IPアドレスを任意で変更しましょう。

図7. サンプル・アプリケーションをコンパイルしESP8266へ書き込む
図7. サンプル・アプリケーションをコンパイルしESP8266へ書き込む

 ※WiFi向けSSIDとPASSWORDおよびMQTT Broker IPアドレスは任意に書き換えます。

5. MQTTブローカーで実行結果を確認する

 すべて完了すると、ESP-WROOM-02(ESP8266)がサンプル・アプリケーション通りに動き出します。MQTT Broker側で待ち受けていたログをいろいろと確認してみましょう。

# /usr/local/sbin/mosquitto -c /etc/mosquitto/mosquitto.conf
 1448116708: mosquitto version 1.4.4 (build date 2015-11-09 02:09:56+0900) starting 
 1448116708: Config loaded from /etc/mosquitto/mosquitto.conf.
  :
 1448116731: New connection from 192.168.11.38 on port 1883. 
 1448116731: New client connected from 192.168.11.38 as ESP8266Client (c1, k15).

# mosquitto_sub -t "outTopic"
hello world
hello World #1
hello world #2
hello World #3

 サンプル・アプリケーションでは、ESP-WROOM-02(ESP8266)がWiFi接続し、MQTT BrokerのoutTopicへ"Hello world"を連続して送信するというものです。UARTやAnalog/Digital制御などは含まれていませんが、何かトリガーがあったときはMQTT Brokerへ向けてデータ送信するという仕組みの基礎は理解できたかと思います。

 さて、次はIETFでもRFC7668でPROPOSED STANDARD(標準化への提唱)のコメントがまとめられたIPv6 over Bluetoothについて、2016年を先取りする形で見ていきましょう。

次のページ
IPv6 over Bluetooth(RFC7668)を試してみる

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/9115 2015/12/21 14:00

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