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システム環境の明後日を支える新技術

続・モノのインターネットのこれから
~カジュアルにモノのインターネットを楽しむ、その先の未来

システム環境の明後日を支える新技術(8)

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カジュアルにモノのインターネットを楽しむ、その先の未来

 さくらインターネット研究所には、iPhoneに接続できるサーモグラフィー撮影ができるFLIR Systems社のFlirOneがありますので、それで今回ご紹介したモノたちの動作温度を測ってみました(図10)。

図10. 目でみる「モノのインターネット」の動作温度
図10. 目でみる「モノのインターネット」の動作温度

 普段使いを考えたときは極端に消費電力が高く、高温になるようなモノであっては、なかなか厳しいところです。常温利用でも少し暖かい程度、身に着けても気ならないなど、その用途は頭にいろいろと浮かんできます。

 なぜこのようなことを筆者が申し上げるかと言えば、次のようなことを考えているからです。

 前述のご紹介のとおり、安価なデバイスの市場流通があり、開発環境の整備、さらに個人資金だけでも製造ができる社会的背景が整ったときは、カジュアルに普段使いできる「自分だけの家電」が普及流通していくと考えているからです(図11)。

図11. カジュアルにモノのインターネットを楽しむ未来2015
図11. カジュアルにモノのインターネットを楽しむ未来2015

 家電といえば、大手メーカーによって開発製造されてきたモノであり、個人がおいそれと手を出せる領域ではありませんでした。しかし、安価なデバイスの市場流通があり、古くは組み込み・最近ではフィジカル・コンピューティングの頃から続く開発環境の技術蓄積と情報流通が後押しする形で、これら個人による開発製造が広がっていくのではと筆者は感じています。

 日本国内において「携帯電話番号の有効利用に向けた電気通信番号に係る制度の在り方」答申(案)に対する意見募集が11月26日に締め切られ、いよいよM2M番号が新設される動きが最終局面を迎えています(図12)。

図12. 日本国内におけるM2M番号新設の動き
図12. 日本国内におけるM2M番号新設の動き

 前回の繰り返しですが、これから2020年までの5年の間に新たな通信規格やアイデア、もっとドラスティックなモノのインターネットへの取り組み、新たなバズワード化など、いろいろと頭に浮かびますが、名前や名称がどうであれ皆さまが望む「より安価に普段使いできる "Connected" なデバイスの世界」は、着実に近づいてきているように感じます。

 さてここまで、『続・モノのインターネットのこれから』と題して、私たちが置かれているIT産業の最前線を考察してきました。読者の皆さまに一つでも何かお役に立っていましたら幸いです。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/9115 2015/12/21 14:00

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