はじめに
1年前、長久 勝さんのアーティクル:「SQLiteで組み込みDB体験」が掲載されました。そこではSQLite3.3.5をコマンドラインからビルドし、ライブラリを生成する方法が解説されています。
今やSQLiteのバージョンは3.3.16(2007年4月20日現在)まで上がっています。この最新版SQLiteをVisual C++ 2005 Express Edition(以下、VC8EE)のIDE上でビルドする手順を解説します。
対象読者
- 本格的なDBを使うまでもない、小さなアプリケーションでお手軽にDBを使ってみたいんだけど……なプログラマ
必要環境
- Visual C++ 2005 Express EditionもしくはVisual Studio 2005
- SQLite version 3.3.16
step-1:ダウンロード、ともかくビルド
まずはソースを入手しましょう。SQLite home pageのdownloadから「sqlite-source-3_3_16.zip」をダウンロードします。適当なディレクトリに展開しておいてください。zipを展開して現れるのはたったの2本、「sqlite3.c」と「sqlite3.h」だけです。以前の版では数十本のソースで構成されていましたが、3.3.15以降「sqlite3.c」1本にまとめられています。そのためわざわざライブラリを作らず、C/C++プロジェクトに「sqlite3.c/h」を追加するだけでも構いません。
VC8EEのIDEを起動し、ソリューション「SQLite3」に、スタティック・ライブラリ・プロジェクト「sqlite3」を作成します。
プロジェクト・ディレクトリ「...\SQLite3\sqlite3」に、ソースコード「sqlite3.h」「sqlite3.c」をコピーし、ソリューション エクスプローラでプロジェクトに追加します。
さらにプロジェクト・プロパティで「release」「debug」の双方に_CRT_SECURE_NO_DEPRECATE
、THREADSAFE
を定義します。
これで準備完了です。ビルドを開始するとかなり大量のwarningが報告されますが実害はありません。ソリューション直下のディレクトリ「release」「debug」にそれぞれの「sqlite3.lib」が生成されます。