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Power Automate Desktopチュートリアル

Windows10の無償デスクトップ自動化ツール「Power Automate Desktop」で条件分岐を実装してみよう

Power Automate Desktopチュートリアル 第2回


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変数の値に応じて処理を分岐する

 [条件]-[Switch]アクションを利用することで、式の値に応じて複数分岐を表現できます。「式Aが1であれば●○、2であれば▲△、それ以外であれば□■」のような表現です。

 以下では、簡単な例として、選択ダイアログから食べたいものを選択することで、おすすめの店をメッセージ表示させてみます。

[1][リストから選択ダイアログを表示]アクションを配置する

 [メッセージボックス]-[リストから選択ダイアログを表示]アクションをワークスペースに配置します。

図20:リストから選択ダイアログを表示アクションの配置
図20:リストから選択ダイアログを表示アクションの配置
図21:リストから選択ダイアログを表示アクションの設定
図21:リストから選択ダイアログを表示アクションの設定

  パラメーター選択画面が表示されるので、

  • [ダイアログメッセージ]に「何が食べたいですか?」と入力
  • 選択元のリストに「カレー」「ハンバーグ」「ラーメン」「冷やし中華」「つけ麵」を改行区切りで入力

 します。入力できたら[保存]ボタンをクリックして画面を閉じます。

[2][Switch]アクションを配置する

 [条件]-[Switch]アクションを[リストから選択ダイアログを表示]アクションの次に配置します。

図22:Switchアクションの配置
図22:Switchアクションの配置
図23:Switchアクションの設定
図23:Switchアクションの設定

 パラメーターの選択画面が表示されるので、[チェックする値]に、「%SelectedItem%(選択ダイアログで選択された項目)」と入力して、[保存]ボタンをクリックします。

[3][Case]アクションを配置する

 [条件]-[Case]アクションを[Switch]-[End]の間に配置します。[Case]は、先ほど設定した「チェックする値(ここでは選択された項目)」と指定された値とが等しい場合に、対応するフローを実行します。

図24:Caseアクションの配置
図24:Caseアクションの配置
図25:Caseアクションの設定
図25:Caseアクションの設定

 パラメーターの選択画面が表示されるので、[比較する値]に選択肢の一つである[カレー]と入力します。

[4][メッセージを表示]アクションを配置する

 [メッセージボックス]-[メッセージを表示]アクションを[Case]-[End]の中に配置します。これで、カレーが選択されたら指定のメッセージを表示する、という意味になります。

図26:1番目のケースのアクションの配置
図26:1番目のケースのアクションの配置
図27:1番目のケースのアクションの設定
図27:1番目のケースのアクションの設定

 [表示するメッセージ]に[カレーはA店がおすすめです。]と入力して、[保存]ボタンをクリックします。

[5]別の[Case]アクションを配置する

 [条件]-[Case]アクションを[メッセージを表示]-[End]の間に配置します。

図28:別のCaseアクションの設定
図28:別のCaseアクションの設定

 パラメーターの選択画面が表示されるので、[比較する値]に選択肢の一つである[ハンバーグ]と入力します。

[6][メッセージを表示]アクションを配置する

 [メッセージボックス]-[メッセージを表示]アクションを[Case]-[End]の中に配置します。

図29:2番目ケースののアクションの設定後
図29:2番目ケースののアクションの設定後

 [表示するメッセージ]に[ハンバーグはB店がおすすめです。]と入力して、[保存]ボタンをクリックします。[5][6]は[3][4]の手順と同じですね。このように[Case]アクションは分岐の数に応じて繰り返すことができます。

[7][Default case]アクションを配置する

 最後に、[条件]-[Default case]アクションを[メッセージを表示]-[End]の間に配置します。他の[Case]に合致する値が無かった場合に実行されるフローを表します。

図30:Default caseアクションの配置
図30:Default caseアクションの配置

[8][メッセージを表示]アクションを配置する

 [メッセージボックス]-[メッセージを表示]アクションを[Case]-[End]の中に配置します。

図31:それ以外の場合のアクションの配置
図31:それ以外の場合のアクションの配置
図32:それ以外の場合のアクションの設定
図32:それ以外の場合のアクションの設定

 [表示するメッセージ]に[%SelectedItem%はC店がおすすめです。]と入力して、[保存]ボタンをクリックします。

[9]フローを実行する

 フローを実行してみましょう。ドロップダウンリストが表示されるので、適当な項目を選択して、[OK]ボタンをクリックします。選択した値によって、[Case]や[Default Case]の次にあるアクションが実行されることが確認できます。

図33:実行結果(リストから選択)
図33:実行結果(リストから選択)
図34:実行結果(メッセージ表示)
図34:実行結果(メッセージ表示)

まとめ

 今回は、フローを制御するための条件分岐構文としてIf、Switchアクションについて解説しました。次回は、同じくフローを作成するのに欠かせないループ(繰り返し)構文について紹介する予定です。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 飯島 聡(WINGSプロジェクト イイジマ サトシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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