最終結果発表!優勝は誰の手に
3人の発表が終わり、続いて審査結果の発表と表彰式が行われた。
まず、カゴヤ・ジャパン特別賞から発表。カゴヤ・ジャパン特別賞を受賞したのは、中川氏の「量子アニーリングを用いた避難経路最適化のためのリアルタイム QUBO 行列作成プログラム」。
続いて、今回の審査結果が発表された。3位の審査員特別賞を受賞したのは、小林氏の「世界最速量子回路シミュレータAlpha-Qu」。
続いて準優勝は出川氏の「izumi-Fortranの表現力向上と開発効率向上,それを支えるSX-Aurora TSUBASA」。
そして優勝に輝いたのが中川氏の「量子アニーリングを用いた避難経路最適化のためのリアルタイム QUBO 行列作成プログラム」である。
カゴヤ・ジャパンの鶴岡氏は次のようにコメントした。「さすがにレベルが非常に高い戦いとなりました。特に中川氏が提案したアイデアは、実用性が高いソリューションになり得ると思いました。出川氏の発表も、FortranはPython並にライブラリが充実すればもっと使えるようになると思いましたし、小林氏の発表も、Alpha-Quでは量子アニーリングではなく量子ゲート方式に挑戦しており、そのファイティングスピリットに感動しました」
NECの田尾氏からは今回の発表に関して、次のような講評が送られた。
「今回、発表していただいた三者は、将来の技術の話をされる方、近未来の話される方、トラディショナルな話をされる方というように、技術の考え方も趣旨の捉え方も異なります。そこが採点する側にとっては、非常に難しく、配点に悩みました。
量子ゲート方式はNECも20年以上前に取り組むと宣言し、今も諦めずに取り組んでいる領域です。小林さんのAlpha-Quの取り組みには、イノベータの力を感じました。
準優勝の出川さんはFortranというトラディショナルな技術にフォーカスした発表でした。若手プログラマが減っている領域ですが、今後研究者が温めていた技術を継承していくフェーズに入ると思います。それをわかりやすく体系化していただいたことを評価しました。
優勝の中川さんが発表した内容は、NECの企業理念にも合致するところに鋭く切り込んでいました。避難経路最適化は解決すべき社会課題であり、事業としてもポテンシャルのある領域だと思いました」(田尾氏)
最後は受賞者が感想を延べ、熱気に包まれたプログラミングコンテストの幕は閉じた。
「C++を久しぶりに触りました。コンピュータの性能がダイレクトに返ってくるのはいいものですね。久しぶりに年末年始、楽しい時間を過ごさせていただきました」(小林氏)
「このコンテストに参加するモチベーションとなったのは、NECのコンパイラが使える機会があると思ったこと。GFortranやNAG Fortranを使う中で、NECのFortranコンパイラはどのくらい使えるのだろうかと思っているうちに、NECのFortranの出来の良さやSX-Aurora TSUBASAの出来の良さに支えられ、受賞することができました。SX-Aurora TSUBASAは素晴らしい計算環境です。もう少し安くなったら個人的に購入したいと思いました」(出川氏)
「2つも賞をいただき、ありがとうございます。数年前、GPUのプログラムに携わった際、自分のプログラムが速くなるのが嬉しく、自分はこのようなことが好きだと気づきました。GPUを触ったので、今度はスパコンを触りたいと思い始めたときに、今回のコンテストの情報を知り、『応募するしかない』と思いました。スパコンを使えることにワクワクし、年末年始、熱中してプログラミングに取り組みました。こういう機会をいただいて感謝しています。また次回もあるなら応募したいと思います」(中川氏)
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