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TISのエンジニアが挑むXR(VR・メタバース)開発の裏側、その難しさと楽しさとは

【16-A-5】SIerな会社の中でXR(VR・メタバース)を用いた新規事業開発に挑戦して見えてきた景色

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さまざまな試行錯誤を経て開発された「BURALIT」とは

 さまざまなXRプロダクト開発を経て、現在注力しているサービスが「BURALIT (ブラリト)」だ。「BURALIT フィールドテスト版」は、用途を絞り込み、使いやすさを改善したサービスである。このサービスは、実写による360度映像を用いて、好きな場所の旅の下見ができるように設計されている。対象はイベントではなく、観光地であり、事前に撮影された映像を使用して、工場や電車の見学など、全国各地の観光地を回る体験が可能である。良い点は、観光地の最適な時期をコンテンツ化できることと操作性の向上である。

観光スポットを巡れる「BURALIT」
観光スポットを巡れる「BURALIT」

 これまでのプロダクトはスマートフォンアプリであり、インストールが必要で、未知のアプリへの抵抗感を持つ人もいるかもしれない。この問題を改善するために「BURALIT ブラウザ版」を開発した。大北氏はプレゼンテーション中に動作デモを実施した。このデモでは、ユーザーが3Dアバターとして同じ空間でコミュニケーションできるようになっており、アバターには方向を示すリアクションやボイスチャットの機能が備わっている。

 BURALIT ブラウザ版の良い点は、インストール不要で直接遊べる利便性、グループでの利用可能性、そしてP2P技術によるランニングコストの抑制(75%削減)だ。欠点は、スポットの数や更新頻度が不足しており、操作性と回遊性に改善の余地があること。

 BURALITの目標は、地域の魅力を伝えて、地域活性化に寄与するアプリとしての地位を築くことである。これを実現するため、TISはコミュニケーションを促進する機能の追加及び改善に努めている。さらに、増加傾向にあるインバウンド需要に応える機能の強化、観光スポットの拡充にも力を入れている。

 大北氏は自身のプレゼンテーションの最後に次のようにコメントした。

 「私たちは、社会課題解決の手段としてXRの将来性に注目していますが、インフラをはじめとする多くの課題が存在していることも理解しています。TISでは、XRに関する研究開発と情報発信を積極的に行っており、Webサイト「XR Campus」で最新の取り組みを発信していますので、ぜひご覧ください」

UnityベースのXRフレームワーク「Extreal」開発の裏側

 続いては、テクノロジー&イノベーション本部 開発基盤センター エキスパートの伊藤 清人氏が登壇し、XRプロダクト開発の裏側について語った。

 伊藤氏は2010年にTIS社に入社し、2011年からXRの事業開発に参画している。そしてUnityベースのXRフレームワーク「Extreal」を開発し、BURALITなどのサービス開発を推進している。伊藤氏はBURALITの仕組みを解説した。

TIS テクノロジー&イノベーション本部 開発基盤センター エキスパート 伊藤 清人氏
TIS テクノロジー&イノベーション本部 開発基盤センター エキスパート 伊藤 清人氏

 BURALITに入ると、ホーム画面で観光スポット一覧が表示される。スポットに入ると、そのなかでさらに360度動画が見られる「ルーム」にアクセスできる。ルームやアバターなどの3Dモデルは、CDNを通じて配信されており、APIを経由してバックエンドにアクセスし、スポットやルームの情報をデータベースから取得する。アプリの利用状況を分析エンジンに送信して可視化する作業が行われている。これらはWebアプリの開発とあまり変わりはない。

BURALITのアーキテクチャ
BURALITのアーキテクチャ

 メタバースの特徴として、コミュニケーション機能が追加されている。P2P通信を利用して、コミュニケーションを実現している。加えて、WebRTCの技術を用い、グループ機能やマルチプレイ、ボイスチャットなどの機能を実現している。

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Webエンジニアが語る、XRプロダクトを開発する難しさと面白さ

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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