目標実現に向け「組織づくり」に関わる4つのメリット
自身のキャリアやスキルとともに、「生存戦略」を意識した時に、価値のあるキャリアを実現するためには「組織づくりに関わること」のメリットが大きい。その考えのもと、杉浦氏は積極的に組織づくりへと関わり続けてきたという。
ここでいう組織づくりとは、採用や組織文化づくり、社内技術発言、人材育成、技術広報、技術戦略など、関わるプロジェクトに閉じない”社内横断的な活動”を指す。この組織づくりに関わるメリットとして、杉浦氏は次の4つを挙げた。
1)ソフトスキルが成長する
コミュニケーション力や論理的思考、課題解決力、リーダーシップ、情報整理力など、仕事をする上で土台となるスキルであり、杉浦氏は「プログラミングや専門性などのハードスキルに比べて、市場価値に直結しやすい」と評する。
しかしその一方で、一人では成長させることが難しいスキルであり、組織にいるからにはその環境を活用しない手はないと語る。例えば、新卒や若手の育成に携われば、コミュニケーション力や情報整理力、目標設定力が鍛えられる。採用なら、ブランディング力や戦略性なども身につくと思われる。
2)ビジネス思考
会社は、社会的価値を生み出し、利益を得ることを目標としている。これは売上からコストを差し引いたものであり、売上向上とコスト削減の両面から、会社の利益を意識して考え、行動することが求められる。
杉浦氏は、「こうしたビジネス思考が身についていることで、会社と自分にとってのwin-winの関係性を築くことができる」と語る。たとえば、新しい技術を試してみたい時に、「流行りだから」と要望するよりも、「コストが削減できるから」と会社側のメリットも提示して交渉できるというわけだ。こうしたビジネス思考は組織の活動をすることでも育まれ、それが身についているエンジニアは、当然ながら会社にとっての価値も高い。
3)実践的な経験ができる
組織づくりの活動は実務能力を高めることにも直結する。例えば、新卒研修を任された場合、研修内容やスケジュールなどを設計し、社内関係者に協力を仰ぐ必要が生じる。プロダクト開発の際にも同様に社内連携が必要になることが多いため、経験が直結するというわけだ。
4)組織からの信頼が得られる
杉浦氏は「会社で働く上で、また自分のキャリアを実現していく上で、1番大事なポイント」と強調。「会社で目指したいキャリアを実現するには、周りからの信頼が重要。それがあって初めて機会が生じた時に任せてもらいやすくなる」と語る。つまり、自分がやりたいことを宣言し、それに対してひたむきに向き合い、行動することで信頼を得て、次の挑戦につなげられるというわけだ。この仕事が仕事を作る「正のループ」によって、目指すキャリアを実現できる「働きやすい環境」がかなう。