これからのエンジニアに求められる“ビジネスセンス”
TechXchangeはIBMのテクノロジーの活用について、デモを通して知ってもらうための活動である。それをヒントに、エンジニアが「こういうことができるかも」という想像を膨らますことができるようになるという。
「例えば今回のTechXchange Japanでは、セッションが終わった後、直接、講師と話せる機会を設けました。また展示ブースでは、IBM社員と話せる機会がある。気になったことをその場で深掘りすることができます」(戸倉氏)
もちろん、このイベントだけでIBMが取り組んでいる技術の全てを伝えることはできない。だがイベント会場で目にした、耳にしたものが、キーワードとして頭に残っていれば、「きっとスキルアップにつながっていくはず」と戸倉氏は期待をこめる。また大西氏も「このイベントに来場した方が、これを学んでみよう、調べてみようと思えるきっかけになっていると思います」と続ける。
つまりTechXchangeの活動は人材育成の支援にもつながるというわけだ。
中でも大西氏がエンジニアに身につけてもらいたいと思っているスキルの一つが、ビジネスセンス。日本では労働人口が年々減少しており、一人当たりに求められる力量が増えている。その解決手段としてAIに注目が集まっているのだが、「AIがあればどうにかなる問題ではない」と大西氏は指摘する。そこで必要になるのがビジネス的な視点を養うことなのだという。顧客が抱える課題に対して、どんなテクノロジーをどう活用していけばよいのか、顧客の視点に立って解決することだ。
ビジネスセンスを持つエンジニアを育てて行くために、日本IBMではさまざまな学習機会を用意。例えばこれから注目の製品や技術については、概要を理解するのはもちろん、顧客がその製品や技術に関心を持ってもらえるように提案し、次のミーティングを取り付けられるような訓練をするという。「その一連の流れを5分の動画にして、マネージャーに提出するんです」と大西氏。マネージャーはその動画を見て、誘導ができているか、キーポイントが話せているか、クロージングができているかをチェックし、点数をつける。「このような訓練をすることで、自然にアウトプットできるようになり、お客さまとの関係作りに好影響を与えています」と大西氏は語る。
エンジニアによるエンジニアのためのTechXchange。今後、どのようなことを期待しているのか。大西氏は「主催しているIBM TechXchange Dojoのメンバーを1万人まで増やしたいと思っています。AIやセキュリティ、オープンソースなど、旬な話を展開することで、いろんな人に参加してもらえるようにしていきたいですね」と意気込みを語る。一方の戸倉氏は、「バリュークリエイターになる人を増やしていきたい。そういう意味でもTechXchangeの活動を継続できるようにしていきたいですね」と笑顔を見せた。

