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国内で本格始動の「Adobe AIR 1.1」、ユニークな作品や先進ビジネス事例も続々と

Adobe AIR 1.1と今後の展開、Adobe AIRコンテストの受賞作品紹介


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開発者にとってのAdobe AIR

 Adobe AIRコンテストの審査員を務め、Flex User Group(FxUG)の代表でもある横田氏に、開発者視点におけるAdobe AIRの可能性について伺った。

(株)クラスメソッド 横田聡 氏
(株)クラスメソッド 横田聡 氏

 横田氏は、Adobe AIRはクリエイターだけのものではなく、業務アプリケーションとしても使っていける潜在能力がある、と主張する。実際、製造業をはじめ、現場での利用が始まっているようだ。

 Adobe AIRに注目している理由については、次のように述べている。ハイパフォーマンスで、とにかくさくさく動き、ユーザにとって使い勝手のよいアプリケーションを作成できること。また、従来まではWebだけでは実現できないことがあり、ActiveXなど、さまざまな技術を学ぶ必要があったが、Adobe AIRではFlashやFlexといった限られた技術だけで開発できる。

 例えば、Adobe AIRのドラッグ&ドロップ機能を利用することで、業務アプリケーション上で表示しているチャートを、Excelにドラッグした場合は中身のデータを表形式で貼り付け、PowerPointにドラッグした場合はPNG形式でチャートを貼り付けるように切り分けられる。このように、Webの技術でありながら非常に柔軟で利便性のアプリケーションをユーザに提供できる可能性がある。

このアプリケーションでは、チャートをExcelにドラッグすると表形式のデータ(左)を、PowerPointにドラッグすると画像としてチャートのデータ(右)を貼り付けられる。
このアプリケーションでは、チャートをExcelにドラッグすると表形式のデータ(左)を、PowerPointにドラッグすると画像としてチャートのデータ(右)を貼り付けられる。

 他にも、クライアント・サーバアプリケーションで、数万件のデータをサーバから逐次取得する必要がある場合にも、Adobe AIRであれば、SQLiteでローカルにキャッシュしておき、パフォーマンスを向上させることができるなど、Webアプリケーションの制限がはずれることによる可能性の広がりを指摘する。

 サーバ連携にも優れていて、たいていのデータをバックエンドに利用することができ、マッシュアップがしやすい点も魅力的だ。

LiveCycleと連携したAIRのデモ
LiveCycleと連携したAIRのデモ

 また、従来はWebアプリケーションを作る際、最初にデベロッパーが機能を実装して、最後にデザイナーにCSSなどでデザインを当ててもらうといった、発注ベースでの付き合いが多かった。本来であれば、UIはユーザにとって重要な部分であり、これには多くの問題があった。

 Adobe AIRやFlexでは、デベロッパーとデザイナーが早い段階から協業できる環境が整っているため、まず最初に、デザインなども含めた完成形に近いシステムのモックを提案することができ、顧客が早い段階で完成形をイメージできる。ユーザのニーズを満たしていくという意味で価値がある。

 ベースとなるFlexは長年の実績があるため安定しており、技術的にもJavaや.NETといった言語の経験があれば、習得しやすくなっている。新規参入する場合は、まず書籍やWebで基礎知識をつけ、後はFxUGのフォーラム、テクニカルな問題であればAdobe Bug Systemで大抵の問題は解決するという。また、SDKなどのドキュメントも日本語で充実してきているので、そちらも参照するとよいだろう。

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Adobe AIRの先進事例

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...

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