開発環境での実行
サンプルをローカルの開発環境で実行してみましょう。
ソリューションをビルドし、AzureStorageBlobAndTableSampleクラウドサービスプロジェクトを開始します。
まず、ローカル仮想環境のDevelopment FabricとDevelopment Storageがタスクトレイ上で起動します。
Development Storageが初めて起動される場合、Development Storageの初期化プロセスが実行されます。ローカル上のSQL Server ExpressにDevelopment Storage用のデータベースが作成され、初期化が成功すると、次の図7のようにダイアログが表示されます。
[OK]ボタンクリックすると、ブラウザが起動します。先ほどの図2のような画面が表示されれば、実行は成功です。種々のファイルのアップロードやダウンロードを試してみてください。
クラウド環境での実行
次に、サンプルをWindows Azure Platformのクラウド環境に配置し、実行してみましょう。
そのためには、Windows Azure Platformのいずれかのプランを購入方法しておく必要があります。各プランの解説については前回の「Windows Azure Platformの価格体系」の部分を、購入方法については「Windows Azure Platformの購入方法」の部分を参照してください。
購入後、Windows Azure Platformにサインインし、Windows Azureのページから、Storage Account(ストレージアカウント)とHosted Services(Windows Azureアプリケーション)を1つずつ新たに作成します。Hosted Servicesの作成方法については、前連載の第2回の「アプリケーションの配置」の部分を、Storage Accountの作成方法については、前連載の第3回の「アプリケーションのクラウド上への配置」の部分を参照してください。
次に、ソリューションエクスプローラから、AzureStorageBlobAndTableSampleクラウドサービスプロジェクトを右クリックして、[発行]を選択します。
出力されたPublishフォルダがエクスプローラで開きますので、フォルダ内にあるサービス構成ファイル(ServiceConfiguration.cscfg)中のDataConnectionStringとDiagnosticsConnectionStringの2つの接続文字列のValue属性を、次のリスト9のように修正します。
DefaultEndpointsProtocol=[http|https];AccountName=myaccount;AccountKey=myaccountkey
最後に、Publishフォルダ中のサービスパッケージファイル(AzureStorageBlobAndTableSample.cspkg)と修正したサービス構成ファイル(ServiceConfiguration.cscfg)を、作成したHosted ServicesのProduction環境かStaging環境(あるいはその両方)に対してDeployします。これで、サンプルがクラウド上で動作します。
まとめ
今回は、Windows Azureストレージ・クライアントライブラリを使用したWindows Azureストレージプログラミングについて解説しました。そして、ブロブとテーブルを使用したサンプルを作成してみました。
次回は、今回扱わなかったキューを用いて、WebロールとWorkerロールを連携させるWindows Azureアプリケーションについて解説する予定です。
次回をお楽しみに。