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目的に応じて適材適所で使うPHPライブラリ

PHPUnitでできる単体テスト

目的に応じて適材適所で使うPHPライブラリ(10)

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例外発生のテスト

 特定の処理で想定している例外発生をテストする場合にはsetExpectedExceptionメソッドを使います。

 発生した例外をsetExpectedExceptionメソッドに渡すことで例外が発生していることを判断します。

setExpectedExceptionメソッド
メソッド 概要
setExpectedException(例外名) テストの中で起こると思われる例外を指定

 例外発生のテストを行うため、以下のようにUtil.php内のgetGoogleMapAddressメソッドに渡された緯度もしくは経度がnullだった場合に例外を発生させる処理を加えます。

リスト13 Util.php(抜粋)
function getGoogleMapAddress($lat,$lon){
        if(is_null($lat) || is_null($lon)){
            throw new Exception();
        }

 UtilTest.php内のforTestGetGoogleMapAddressメソッドに例外を発生させる緯度経度がnullで期待値がExceptionのデータを追加し、testGetGoogleMapAddressメソッドで渡された期待値がExceptionだった場合の処理を追加しています。

リスト14 UtilTest.php(抜粋)
public static function forTestGetGoogleMapAddress(){
    return array(  
        array('35.658611', '139.745556', '東京都港区芝公園4丁目2-8'),
        array('35.696233', '139.570431', '東京都三鷹市下連雀1丁目1-83'),
        array('35.714731', '139.796756', '東京都台東区浅草2丁目3-1'),
        array('', '', new Exception()),
    );  
}  

/** 
 * @dataProvider forTestGetGoogleMapAddress
 */  
public function testGetGoogleMapAddress($lat, $lon, $expected){
    if($expected instanceof Exception) {  
        $this->setExpectedException(get_class($expected));
    }
    $address = $this->object->getGoogleMapAddress($lat, $lon);
    $this->assertEquals($expected, $address['pref'] . $address['city'] . $address['town'] . $address['detail']);  
}

 testGetGoogleMapAddressメソッド内で渡された期待値が例外だった場合にはsetExpectedExceptionメソッドで例外が発生していることをテストします。

リスト15 テスト実行
# phpunit UtilTest.php 
PHPUnit 3.4.13 by Sebastian Bergmann.

....

Time: 1 second, Memory: 4.25Mb

OK (4 tests, 5 assertions)

 テストの中で例外が発生してもエラー(FAILURES! )とならずにテストが終了していることを確認できます。

 setExpectedExceptionメソッドが1回実行されるとassertionsが1加算されます。

 そのため「4 tests, 5 assertions」と表示されています。

コードカバレッジ解析

 PHPUnitにはコードカバレッジ解析というコードのどの部分がテストされたかを解析する機能があります。

 この機能を使って解析結果をHTMLに出力し、ブラウザからコードのテストされた部分を確認することができます。

 以下のコマンドでUtilTest.phpのコードカバレッジ解析結果を出力します。

リスト16 コードカバレッジ解析結果出力
phpunit --coverage-html ./result UtilTest.php 

 ディレクトリ「result」内にコードカバレッジ解析結果がHTMLで出力されています。

 Util.php.htmlにアクセスしてみると以下のように表示されます。

コードカバレッジ解析結果
コードカバレッジ解析結果

 Util.phpのテストで実行されたメソッド、コードの部分が一目で分かるようになっています。

まとめ

 PHPでのシステム開発では、オブジェクト指向に基づくフレームワークの利用が一般化してきており、部品単位でのコーディングが多くなっていると思われます。

 そのため、これまで以上に単体テストでのチェックがシステム全体の出来具合において重要になっていると考えられます。

 PHPUnitを利用すると単体テストが容易に行えるだけでなく、速く効率的に行うことができるでしょう。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 片渕 彼富(カタフチ カノトミ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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