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Android開発のためのJava SE再入門

Androidアプリにおけるユーザインタフェースの基本処理

Android開発のためのJava SE再入門(3)


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ボタンのイベント処理

 文字列の変更はできました。今度はこれを少し変更して、ボタンをクリックしたときに何らかの処理を行い、その結果を表示する、というサンプルにしてみましょう。

クリックリスナー

 ボタンのクリックイベントを検知するには、ボタンのオブジェクトにリスナーを登録します。リスナーとは、イベントに応じて呼び出されるメソッドが定義されたオブジェクトです。前回説明したサンプルで言えば、Activityクラスがリスナーといえます。あらかじめonCreateメソッドなど、特定のイベントが発生したら呼ばれるメソッドが定義されているのです。

 onCreateメソッドなどは、必ず発生するイベントの処理ですが、ボタンのイベントはアプリケーションによります。必ずあるものではないため、そのイベントに対応するメソッドをすべて定義しておくのは無駄があります。

 そこでイベントごとに、呼ばれるメソッドだけを定義したクラス(インターフェイス)を用意しておき、必要に応じてそれを実装する、という方法をとります。

 インターフェイスとは、定数と抽象メソッドだけがメンバーとなる特殊なクラスです。インターフェイスは、クラスの継承のように記述しますが、実装と呼びます。

構文 インターフェースの実装
class クラス名 implements インタフェース名 {
    フィールド定義
    メソッド、抽象メソッドの定義
}

 ボタンのクリックイベントに対応するリスナーは、android.view.View.OnClickListenerというインターフェイスです。OnClickListenerは、Viewクラス内で定義されていて、onClickというメソッドのみ定義されています。

 つまりこのOnClickListenerインターフェイスを実装したクラスを、クリックイベントのリスナーとして登録すれば、ボタンがクリックされたときに、onClickメソッドが呼び出されるという具合になります。

 修正したサンプルソースは、次のようになります。

リスト5 HelloAndroid_2.java
package codezine.androidjava.chap1;

import android.app.Activity;
import android.os.Bundle;
import android.view.View;
import android.view.View.OnClickListener;
import android.widget.Button;
import android.widget.TextView;

public class HelloAndroid extends Activity implements OnClickListener {
    @Override
    public void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
        super.onCreate(savedInstanceState);
        setContentView(R.layout.main);

        // ボタンオブジェクトの取得
        Button bt = (Button)findViewById(R.id.button1);
        // クリックリスナーの登録
        bt.setOnClickListener(this);
    }

    // ボタンクリック時に呼ばれるメソッド
    public void onClick(View view) {
        TextView tview = (TextView)findViewById(R.id.textView1);
        tview.setText("ボタンが押されました");
    }
}

 ViewクラスにsetOnClickListenerメソッドが用意されています。ここでは、ボタンオブジェクトのsetOnClickListenerメソッドに、OnClickListenerインターフェイスを実装したHelloAndroidクラスを指定しています。

 したがって、HelloAndroidクラスで実装したonClickメソッドが、ボタンのクリック時に呼び出される、というわけです。

図8 実行結果画面
図8 実行結果画面

無名クラス

 さきほどのサンプルでは、OnClickListenerインターフェイスを、HelloAndroidクラス自体で実装していますが、これを無名クラスで記述することもできます。

 無名クラスとは、クラス内でクラスを宣言する内部クラスの一種で、その名のとおりクラス名がないクラスです。無名クラスは、このようなインタフェースを実装する際によく使用されます。

 また無名クラスは、次のように、クラスの宣言と同時にオブジェクトの生成まで記述します。

構文 無名クラスの宣言とインスタンス化
new インタフェース名() {
    抽象メソッドの実装
}

 さきほどのサンプルコードを無名クラスで書き直すと、onCreateメソッドの部分は次のようになります。

リスト6 HelloAndroid_3.java
public class HelloAndroid extends Activity {
    @Override
    public void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
        super.onCreate(savedInstanceState);
        setContentView(R.layout.main);

        // ボタンオブジェクトの取得
        Button bt = (Button) findViewById(R.id.button1);

        // クリックリスナーの登録
        bt.setOnClickListener(new OnClickListener() {
            public void onClick(View view) {
                TextView tview = (TextView)findViewById(R.id.textView1);
                tview.setText("ボタンが押されました");
            }
        });
    }
}

 無名クラスは、場合によっては読みにくいソースになってしまいますが、よく使われる形ですので、この形も押さえておきましょう。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/6026 2011/07/21 12:07

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