独自の開発フレームワークを採用
Yahoo! JAPANでは、スマートフォン向けサービスの開発作業に、独自の開発フレームワークを適用している。このフレームワークは、大きく分けて「ユーザーインタフェース規定」「実装ガイドライン」「ツール」「実装パーツ」「デバイス情報」「試作研究」の6つの要素で構成される。
ユーザーインタフェース規定は、Yahoo! JAPANのUIとして守られるべき規定を定義し、その品質を保つことを目的としたガイドラインだ。その運用は、かなり厳密に行われているという。
「このガイドラインの順守は、社内的にも非常に高いプライオリティが設定されている。開発者の間では、バイブルのように扱われている」(是井氏)
実装ガイドラインは、実際にUIやサービスを実装するための具体的な方法を規定したもの。HTML5はもちろんのこと、JavaScriptやWeb APIなどの実装方法を標準化し、さらにはオープンソースのコードを流用する際のライセンスの順守についても、ガイドラインとして規定している。
ツールについては、既にさまざまなものを社内で開発・利用しているが、スマートフォン対応に当たり、スニペットコードを簡単に自動生成できる「スニペット・ジェネレータ」というツールを新たに開発した。このツールの導入により、大幅に開発期間が短縮されたという。また、スマートフォンの新機種が出るとすぐに購入し、その仕様や周辺情報を「デバイス・ポータル」というナレッジベースシステムの中に蓄えて、開発者間でデバイス情報を共有している。
さらには、HTML5をはじめとしたさまざまな先進テクノロジーの研究や、それらを活用した試作の活動にも積極的に取り組んでいる。先端テクノロジーを研究する専門組織「Yahoo! JAPAN研究所」を運営するほか、開発コンテストも社内で定期的に開催しているという。