生成コードの動作確認
それでは、生成されたコードの動作を確認してみましょう。まずはViews/Locationフォルダーで右クリックし、「ブラウザーで表示」を選択します。すると、「Location List」画面が表示されます。今はまだデータを登録していないので、新規データ作成用の「Create new」リンクが表示されているだけです。
データを登録するため、「Create new」リンクをクリックすると、「Insert Location」画面が表示されます(図11)。LocationデータモデルクラスのNameフィールドにDisplay属性で指定した通り、"場所名"が項目名として表示されていることが確認できます。
また、場所名を入力せずにInsertボタンをクリックすると、必須入力エラーが表示され、NameフィールドにRequired属性で指定したエラーメッセージが表示されます(図12)。
それでは、"本社"と場所名に入れて「Insert」ボタンをクリックし、データを登録してみましょう。登録に成功するとLocation List画面に戻り、今登録した"本社"のデータがリストに表示されます(図13)。
リスト内の「edit」「delete」リンクをクリックすると、それぞれ「Edit Location」「Delete Location」画面に遷移し、編集、削除が行えます(図14、15)。
2013年10月27日にリリースされたVisual Studio 2013には、ASP.NET関連でも多くの新機能が追加されています。その中で、比較的大きなものを簡単に紹介します。
- One ASP.NET:1つのWebアプリケーションプロジェクトに、Webフォーム、MVC、Web APIを簡単に混在させることのできるプロジェクトテンプレートが追加されました。Visual Studio 2012まではWebアプリケーションプロジェクトを作成後、必要なライブラリの追加やWeb.configの設定などを個別に行わないとできなかった混在環境を、ウィザート形式で構築できます。
- Browser Link:コードを修正後に、Visual Studio 2013からブラウザ側をリフレッシュできる機能です。Visual Studio 2012までは、コードを修正したあと、一度ブラウザを閉じて再度実行したり、ブラウザでリフレッシュを支持したりする必要がありましたが、その手間が削減されます。
- エディターの強化:HTML、CSS、JavaScriptのエディターが強化され、IntelliSenseがより使いやすくなっています。
各機能の詳細や、他の新機能については、次のページなどを参照してください。
まとめ
今回は将来的にVisual Studioに追加されるであろう、ASP.NET Webフォームアプリケーション用のScaffoldingのプレリリース版について、その概要と導入方法を学びました。まとめると次のようになります。
- ScaffoldingとはデータモデルからCRUD用画面を生成する機能
- 2013年11月時点ではVisual Studio 2012用のプレリリース版が提供されている
- Visual Studio 2013 Update 1をターゲットとして開発が進められている
- ほかのマスタとの関連がないシンプルなマスタのメンテナンス画面などに向いている
- プレリリース版を使用するには以下の手順が必要
- ScaffoldingのVS拡張をインストールする
- .NENT 4.5をターゲットとするC#のWebフォームアプリケーションプロジェクトを作成する
- ScaffoldingのNuGetパッケージをプロジェクトに追加する
- Scaffoldingによるコード生成は以下の手順で行う
- データモデルとなるクラスを作成する
- データアクセスに用いるDbContext型の派生クラスを作成する
- プロジェクトのコンテキストメニューから「追加」→「Scaffold」を実行する
次回は、今回Scaffoldingで作成したコードの解説と、カスタマイズ方法について紹介します。お楽しみに。