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話題のあの人にインタビュー!

SAGOOL開発元社長の「おもロジック」な頭の中

プログラマーが語るマーケティングツール開発の日常 第7回


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「SAGOOL」を支える技術

編集部
 ここからは、エンジニアの喜多慎弥 氏、佐伯真人 氏を交えて、技術的な面について少し話を伺いたいと思います。
 
 SAGOOLのサーバ構成はどのような感じなのでしょうか? また何か工夫されている点はありますか?
佐伯
 特に奇抜な構成はしていません。なるべくベーシックにして、表に出ているグローバルなサーバは少なく、後ろに一杯ある感じですね。
 
 ただ、拡張や切替などがしやすいように気を使って構成しています。また、フリーで国内生産のものを使っています。そこはケースバイケースですが、台数を増やしていくのはコストをいかに下げるかが問題なので、オープンライセンスのものが基本です。
編集部
 データベースはどうでしょうか。
佐伯
 OracleやMySQLといった汎用データベースは、全文検索には向いていないので、システムのメインには使っていません。独自に実装しています。もちろん、使いやすくするためにサブシステムなどには使っていますが。
編集部
 全体的には、どのような処理を行っているのでしょうか?
佐伯
 基本的に、クローリング用のサーバが最初のデータを普通にHTMLで取ってきて、ストレージに保存します。そこから計算サーバが加工して検索しやすい形にしておき、その結果を検索サーバがWebからの問合せを受け取って応答するという形です。既存のWebサービスの考え方とは少し違うかもしれませんね。
編集部
 なるほど。シンプルですね。
佐伯
 複雑にすると遅くなるので、応答に関する部分についてはなるべく単純な形で用意しています。たとえば、この単語があれば、この結果一覧というのがあらかじめ用意されている感じです。
 
 実際、構成もすごく単純で、台数管理で、いくらでも指したり抜いたりできる構成を考えると、シンプルにせざるを得ません。そのため、台数は多いけど把握はしやすいと思います。また、各アプリケーションはバラバラに存在しています。物理的にはスイッチと設定次第で構成を変えられるようにシンプルにしているけど、論理的に少し複雑にしているような感じでしょうか。

BON SAGOOL(ボンサグール)

編集部
 少し話が変わりますが、「BON SAGOOL(ボンサグール)」というサービスを最近開始されたそうなので、こちらも伺いたいと思います。BON SAGOOLとは、どんなサービスなのでしょうか?
自分専用の注目エントリーランキング「BON SAGOOL(ボンサグール)」
「BON SAGOOL(ボンサグール)」
喜多
 簡単にいうと、自分と興味対象の近い人のソーシャルブックマークやブログのRSS(BON SAGOOLでは「ハブ」と呼んでいる)をあらかじめ登録しておくことで、それらのエントリーをまとめてホットな順番で表示できるというものです。重複順にランキングされるようになっています。その他に、BON SAGOOL全体のランキングを見ることもできます。
編集部
 では、複数のソーシャルブックマークサービス(SBS)などを回らなくても、ここに来れば済むようになるんですね。
喜多
 そうですね。たとえば、はてなブックマークの「最近の人気エントリー」「注目のエントリー」などで、自分とは興味の対象がずれているもの(ノイズ)が多くなってきたなと感じている人にも使ってもらいたいですね。昔は、はてなというサイトの母集団に非常に偏りがあったのですが、メジャーになるにつれ、その偏りが薄れてきてしまったので、自分で偏りを作れた方がより便利かなと。
編集部
 情報は偏っていた方がよいと。
喜多
 結局、みんな偏った情報の方が好きだと思うんですよ。その偏りはもちろん自分だけなんだけど、何人かは似た人がいる。で、その人たちが先に情報を見つけてくれて、それらをうまく統合できれば、たぶん自分にとって一番いい情報を早く入手できるのでは、ということですね。
編集部
 特殊なフィルターのようなイメージですね。
喜多
 普通の検索とかだとキーワードでフィルタリングするのですが、BON SAGOOLでやろうとしているのは、人でフィルタリングすることです。
 
 あと、「はてなブックマーク」や「del.icio.us」などSBSごとにユーザ層が異なっているので、お互いを知らないのはもったいない、というのもあります。
編集部
 BON SAGOOLを立ち上げたきっかけも、その辺にあったんですか?
喜多
 もともと、開発技術に興味のある人のブックマークを見るのが好きだったんです。中には、同じようなサービスを自分で作っちゃったという人までいたりして。そういう人たちのランキングが見たかったんです。それが、はてなブックマークやlivedoorなどで実装されるとは思わなかったし、じゃあ自分でやってみようかって。
編集部
 興味対象ごとにグループ分けして登録することもできるんですか?
喜多
 今後考えていますが現状はできないですね。むしろ、タグ付けしようかなと考えています。それでグループ分けをすることもできますし、どんなタグが付いているかによって、登録する目安にもなりますし。
編集部
 BON SAGOOLの一番の売りはなんでしょうか?
猪子
 自分の好きな情報だけが入ってくることですね。今はまだ難しいですけど、将来的には登録などの煩わしい手間を省力化できるように考えています。あと、面白い情報、こういうのが好きな人はたぶんこういうのも好きなんだろうな、というのをドンドン出せたらよいなと考えています。
編集部
 BON SAGOOLの由来はどういったものなのでしょうか?
猪子
 もともとフランス語で「ボンジュール」という案があったんですけど、サグールと関連性を出したかったんで「BON SAGOOL」にしました。「よいサグールを」という意味合いですね。
編集部
 BON SAGOOLの開発環境は?
喜多
 「Ruby on Rails」で開発しています。なんといっても開発がすごく早いのがいいです。逆に苦労した点は、動作がすごく遅いことですね(笑)。
編集部
 SAGOOLとBON SAGOOLでなにかコラボレーションするのでしょうか。
喜多
 現在、SAGOOLとBON SAGOOLは別々のサービスですが、今後は色々と連携していくことを予定しています。
編集部
 BON SAGOOLのビジネス化は検討しているのですか?
猪子
 収益はあった方がいいですよね(笑)。SAGOOLでは、オーバーチュアのリスティング広告が入っていますけど。今のところまだ儲かっていませんが、今はサービス面の向上に注力したいので、本格的に広告を入れたりするのは、だいぶ後で考えようと思っています。

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