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jQuery UIの標準ウィジェットを補完する高機能ライブラリ「Wijmo」の活用

「Wijmo(ウィジモ)」アップデートで追加された新ウィジェットや機能を紹介

jQuery UIの標準ウィジェットを補完する高機能ライブラリ「Wijmo」の活用 第6回

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スパークラインは軽量なチャート部品

 2014J v2アップデートで盛り込まれたスパークライン(wijsparkline)は、小型のチャートをインラインで表示するウィジェットです。他のチャートウィジェットよりも小型、軽量で、図2のように1ページ内に複数のスパークラインを表示する使い方が想定されています。

図2 スパークラインを用いて表示する携帯電話事業者の純増数とMNP(001_wijmo_sparkline1.html)
図2 スパークラインを用いて表示する携帯電話事業者の純増数とMNP(001_wijmo_sparkline1.html)

 図2ではWijmoが提供するグリッド(wijgrid)の要素としてスパークラインを表示しています。スパークライン指定の記述をリスト1に示します。

リスト1 グリッド内にスパークラインを表示する記述(001_wijmo_sparkline1.html)
columns: [
// 中略
    {
        dataKey: "diff", 
        headerText: "月次純増数", 
        textAlignment: "center",
        cellFormatter: function (args) {
            if (args.row.type & $.wijmo.wijgrid.rowType.data) {
                var diffSparkline = $("<div></div>") // ... (1)
                    .css({
                        height: 80,
                        width: 200
                    });
                args.$container.empty()              // ... (2)
                    .append(diffSparkline);
                diffSparkline.wijsparkline({         // ... (3)
                    data: args.row.data.diff, 
                    type: "area",
                    valueAxis: true,
                    origin: 0
                });
                return true;
            }
        }
    },
// 中略
]

 (1)でスパークラインを表示するdiv要素を作成し、(2)でグリッドに設定しています。そのdiv要素に対して(3)でスパークラインの指定を記述しています。001_wijmo_sparkline1.htmlでは純増数とMNPでこの処理を2組記述しているため、グリッドの各行にスパークラインが2個ずつ描画されます。

スパークラインの基本

 それではスパークラインウィジェットの利用法をより詳しく説明します。シンプルなスパークラインを表示する例はリスト2のようになります

リスト2 シンプルなスパークラインの表示(002_wijmo_sparkline2.html)
<script type="text/javascript">
    require(["wijmo.wijsparkline"], function(){ 
        $(function(){ 
            $("#wijsparkline1").wijsparkline({ // スパークラインの設定 ...(1)
                data: [23, 15, 3, -2, -10, 0, 10, 25, 12, -8, -15, 5, 3, 18, 14, -10],
                type: "area"
            }); 
        }); 
    });
</script>
...中略...
<!-- スパークラインを表示する要素 ...(2) -->
<div id="wijsparkline1" style="width:320px; height:240px;"> 
</div>
</body>
</html>

 (1)でスパークラインを表示するwijsparklineの設定を行っています。ここではオプションとしてdataにグラフデータ、typeにグラフ種類("area")を設定しています。オプションについては後述します。この設定により(2)のHTML要素にスパークラインが表示されます。

 リスト1を実行すると、図3のように設定されたデータがグラフ表示されます。

図3 リスト2を実行してスパークラインを表示(002_wijmo_sparkline2.html)
図3 リスト2を実行してスパークラインを表示(002_wijmo_sparkline2.html)

 wijsparklineメソッドにJavaScriptオブジェクトを設定することでオプションを指定できます。主なオプションを表1に示します。

表1 wijsparklineの主なパラメータ
パラメータ名 内容 初期値
data 表示するデータ(配列) null
type グラフの種類 "line"
valueAxis 正負の値を区別する false
origin 値軸をセンタリングする位置 0
seriesStyles 各系列のスタイル指定 [](空配列)

 ここでグラフの種類(type)は線グラフ("line")、面グラフ("area")、棒グラフ("column")が指定できます。

図4 左から順にline、area、columnのスパークライン
図4 左から順にline、area、columnのスパークライン

 オプションを指定した例をリスト3に示します。seriesStylesには正・負・ゼロのそれぞれについて色を指定しています。

リスト3 スパークラインにオプションを指定(003_wijmo_sparkline3.html)
$("#wijsparkline1").wijsparkline({
    type: "column",                  // グラフ種類
    seriesStyles: [{                 // 表示型式
        fill: "#0066ff",             // 正の値の色
        zeroStyle:{fill: "green"},   // ゼロの値の色
        negStyle: {fill: "#ff8080"}, // 負の値の色
    }],
    valueAxis: true,                 // 正負を区別
    origin: 0                        // 値軸をセンタリングする位置
}); 

 リスト3を実行すると、図5のように、正の値・ゼロの値・負の値がそれぞれ指定された色で棒グラフが表示されます。

図5 スパークラインウィジェットで表示した棒グラフ(003_wijmo_sparkline3.html)
図5 スパークラインウィジェットで表示した棒グラフ(003_wijmo_sparkline3.html)

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

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