画像認識APIとカメラ機能を連携する
サンプルアプリは、画像のパス名を入力し、画像認識のボタンをタップすると、APIを実行して商品情報を表示します。また、その結果が妥当だったかどうかを、フィードバック(報告)することもできます。
今回は、このサンプルを少し改造してみましょう。Androidのカメラ機能や画像ギャラリーと連携するようにして、すぐに画像認識を試せるようにしてみます。
AndroidManifest.xmlへの追加
撮影したカメラ画像を保存するために、マニフェストファイルのPermission属性に、INTERNET、READ_EXTERNAL_STORAGEと共に、保存用のWRITE_EXTERNAL_STORAGEを追加します。
<uses-permission android:name="android.permission.INTERNET"/> <uses-permission android:name="android.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE"/> <uses-permission android:name="android.permission.WRITE_EXTERNAL_STORAGE"/>
RecognitionActivity.javaの変更
次に、RecognitionActivity.javaを変更します。最初に、カメラで撮影した画像ファイルのURI用に、RecognitionActivityクラスのフィールドを追加します。
private Uri bitmapUri; // 画像ファイルのURI
そして、pushExecButtonメソッドを変更し、onActivityResultメソッドのオーバーライドを追加します。元のpushExecButtonメソッドでは、APIを実行するようになっていますが、これをカメラ撮影と画像ギャラリーと連携する処理に変更します。また、onActivityResultメソッドでは、撮影した画像または画像ギャラリーの画像ファイルのURIを用いて、APIを実行するようにします。
@SuppressLint("NewApi") private void pushExecButton() { // ギャラリー選択のIntent(1) Intent intent = new Intent(); // APIレベル19(Kit)以降と区別する(2) intent.setAction((Build.VERSION.SDK_INT < 19) ? Intent.ACTION_GET_CONTENT: Intent.ACTION_OPEN_DOCUMENT); intent.addCategory(Intent.CATEGORY_OPENABLE); intent.setType("image/*"); // カメラ撮影して保存する画像ファイル名を設定しておく(3) File mediaFile = new File( Environment.getExternalStoragePublicDirectory( Environment.DIRECTORY_DCIM), System.currentTimeMillis() + ".jpg"); bitmapUri = Uri.fromFile(mediaFile); // カメラ撮影のIntent(4) Intent intent_camera = new Intent(MediaStore.ACTION_IMAGE_CAPTURE); intent_camera.putExtra(MediaStore.EXTRA_OUTPUT, bitmapUri); // ギャラリー選択でcreateChooserし、カメラ撮影のIntentを追加する(5) Intent chooserIntent = Intent.createChooser(intent, "画像の選択"); chooserIntent.putExtra(Intent.EXTRA_INITIAL_INTENTS, new Intent[] { intent_camera }); startActivityForResult(chooserIntent, 1); } @SuppressLint("NewApi") @Override protected void onActivityResult(int requestCode, int resultCode, Intent data) { if (requestCode == 1) { if (resultCode == RESULT_OK) { String path = bitmapUri.getPath(); // カメラ画像のパス名 if (data != null) { // カメラ画像でない場合は、画像ギャラリーから取得する(6) if (!data.getData().getPath().equals(bitmapUri.getPath())) { // APIレベル19(Kit)以降と区別する(7) Cursor cursor; if (Build.VERSION.SDK_INT < 19) { String[] columns = { MediaColumns.DATA }; cursor = getContentResolver().query(data.getData(), columns, null, null, null); } else { String id = DocumentsContract.getDocumentId( data.getData()); String selection = "_id=?"; String[] selectionArgs = new String[]{id.split(":")[1]}; cursor = getContentResolver().query( MediaStore.Images.Media.EXTERNAL_CONTENT_URI, new String[]{MediaColumns.DATA}, selection, selectionArgs, null); } if (cursor.moveToFirst()) { path = cursor.getString(0); } } } // 画像のパス名を表示する EditText editText = (EditText)findViewById(R.id.edit_path); editText.setText(path); AlertDialog.Builder dlg = new AlertDialog.Builder(this); // パラメータを設定する ImageRecognitionRequestParam requestParam = new ImageRecognitionRequestParam(); requestParam.setRecog(Recog.ALL); // 画像のパスを設定する requestParam.setFilePath(path); // 実行 task = new RecognitionAsyncTask(dlg); task.execute(requestParam); } } }
この変更でのポイントは、次の3点です。
- カメラ機能と画像ギャラリーの連携に、intent機能を使う
- intentで呼び出した処理の戻り値を、onActivityResultで処理する
- KitKat以降では、画像ギャラリーの扱いが異なる
Androidでは、カメラ機能を直接操作することもできますが、標準のカメラアプリを使う方がかんたんです。ここでは、カメラアプリと画像ギャラリーを呼び出すために、intent機能を使っています(コメント行の(1)、(4))。また、Intent.createChooserを使って、カメラアプリと画像ギャラリーの両方に対応したintentを発行しています(5)。
intentで呼び出した処理(Activity)の戻り値は、onActivityResultメソッドをオーバーライドすることで処理することができます。onActivityResultメソッドの3つめの引数に、intentの戻り値(画像ファイルのURI)が格納されています。
ただし、カメラ画像では、この値がNULLとなる機種がほとんどです。そのため、これがNULLか、あるいは設定したURI(3)と同じであれば、カメラ画像、そうでなければ、画像ギャラリーのURIと判断しています(6)。
Android 4.4(KitKat、APIレベル19)から、Storage Access Frameworkという機能が搭載され、画像ギャラリーから戻される画像URIが変更されました。そのため、Build.VERSION.SDK_INTで、実行している機種のAPIレベルを調べ、レベルに応じて処理を変更しています(2、7)。
実行してみよう
変更したアプリを起動し、「画像認識要求実行」をボタンをタップすると、カメラ撮影か、ギャラリーかを選択できるダイアログが表示されるようになります。
カメラで撮影するか、ギャラリーの画像を選択すると、元の画面に戻ります。しばらくすると画像が認識され、次のような表示になります。身近にある商品なら、たいてい認識できるのではないでしょうか。
最後に
今回は、APIの呼び出し方と、画像認識APIを例にしてSDKの使い方を解説しました。次回も、提供されているSDKを利用して楽しいAndroidアプリを作ってみます。
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