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【デブサミ2015】セッションレポート

【デブサミ2015】19-C-7 レポート
受賞作品発表!「ITエンジニアに読んでほしい! 技術書・ビジネス書大賞 2015」


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急速な変化に伴う「SIerの生き残り」のためのヒントを示唆
『システムインテグレーション崩壊』

『システムインテグレーション崩壊』著者 齋藤昌義さん
『システムインテグレーション崩壊』著者 齋藤昌義さん

 次に登壇したのは、『システムインテグレーション崩壊』を著した齋藤昌義さん。「1時間いただきたい」とスタートから熱意あふれる語り口でITの歴史を振り返り、「ビジネスとITの同期化によって『ITカンブリア紀』といえるほど、急速な変化が起きている」と力説。そうした予測困難な時代の変化に対応するためのヒントを記したものが、本書だという。

 斉藤さんは変化の軸を「オープン」「サービス化」「スマートマシン」と分析。それらが当たり前になった世界で、「ビジネス価値にお金を払う時代であることを認識すべき。人月積算ビジネスはなくなる」と指摘する。そして、SIerが生き残るためにはビジネス・イノベーションが不可欠であり、「新しい市場の開拓」「ビジネスのサービス化」「競争原理の変化」などを考慮すべきポイントとして紹介。「その続きはぜひ著書を読んで欲しい。新しいビジネスに踏み出すきっかけになれば幸い」と絶妙な寸止めでプレゼンを終えた。

 角征典さんは「ビジネスのトレンドを把握しながら、自分の仕事を考えたり、選んだりする重要性を痛感した」、小和田香さんは「古くて新しいテーマ。SIだけでなくWebに携わるエンジニアまで、広い範囲をこのようなコミュニティでつなげていければ」と関心を示した。

絶対に面白くないけれど、絶対に役に立つ本に違いない
『ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第4版』

『ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第4版』著者 三好康之さん
『ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第4版』著者 三好康之さん

 「この機会を待っておりました」とノリノリで登場したのは、『ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第4版』著者の三好康之さん。「技術書として書いたが、読んでも絶対面白くない。どうしてこれを書いたのか、読者に『思い』を伝えたい」と会場にむけて情熱的にアピールした。

 本を開いてみると、たしかに目次からしてびっしりと情報が詰まっている印象だ。しかも、辞書のように網羅的で眺めていても決して面白い本ではない。その理由は、コンパクトな本の中に930ワードの業務用語を入れたかったからという。「面白く書くこともできたけど、良薬口に苦しの実効性を取った。本当に役に立つから、面白くないけど売れている」というわけだ。今後はさらに読者との交流を深め、「双方向でのやりとりの中から内容をブラッシュアップしていきたい」と語る。本の巻頭や巻末に、三好さんがファンという「乃木坂46」についての記述が入るのも、読者との交流を考えてのこと……だそうだ。

 角征典さんは「確かに全然面白くない。でも会社をつくった時にすごく役に立った」、長田絵理子さんは「前の版からずっと売り場に置いていて見慣れていたけど、今回ちゃんと読んでみて、乃木坂46が出て来てびっくり。でもエンジニアや本への愛はわかった」とややツンデレ気味ながら高評価。

Google経営の神髄に最短・最速で到達できるクールな1冊
『How Google Works』

『How Google Works』翻訳者 土方奈美さん
『How Google Works』翻訳者 土方奈美さん

 トリを飾ったのは、書店での平積みも目立った『How Google Works』の翻訳者である土方奈美さん。「完全な文系でアウェイです」と緊張しながらも、まず「経営者自身が書いた初めての本であり、インサイダーしか知り得ぬ情報が随所に盛り込まれている」と他のGoogle本との違いを語る。そして、最大の魅力は「ムダに長くない」ところであり、「まさにGoogleの経営姿勢が反映されている」と評する。

 紹介されている考え方は実にシンプルだ。ITの進化による市場の変化と、優れたサービスや商品を提供する「スマート&クリエイティブ」人材。そして、彼らを集めて快適なビジネス環境を創るにはどうしたらいいのか。その「How」がわずか360ページに集約されているという。土方さんは「10倍で考える」「キャリアをサーフィンで考える」など、本書のエッセンスを披露。そして、「数時間でGoogle経営神髄に最短・最速で到達できる。今週末の1冊にいかが」とアピールした。

 桂大介さんは「非体系的な本で、そのスタイルも含めてGoogleらしさを感じた」、小和田香さんは「スケール違うなあと感心。エッセンスが何らかの示唆を与えてくれそう」とコメント。翻訳に対しても「Googleの息づかいが伝わってくる」と賞賛した。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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