SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

かまぷとゆうこのデベロッパーズ☆ラジオ

技術書なのにコミケで壁サークル!? 技術系同人誌の本とイベントの作り方――TechBooster mhidakaさん

かまぷとゆうこのデベロッパーズ☆ラジオ #6 TechBooster mhidakaさん

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

技術書典の出展者の25%が初めての人だった

ゆうこ DroidKaigiも、まだ2017年のDroidKaigiで3回目なんですね。3回目なんですけど、最初から注目されてたし、試行錯誤だったと言っていたのを聞いたことあるんですけど(編注:日高さんがDroidKaigiの運営について講演していたのを編集部で取材したのでした)。

日高 DroidKaigiに関してはけっこうビビりながらやっているところはありますね。DroidKaigi最初から確か400人ぐらいの規模でやってたんですが、もっと大きくしようとしたときって、謎ばっかりがあるじゃないですか(笑)。どうやって人を誘導すれば大丈夫なんだろうとか、お昼ごはんは何人前用意したら残らずに済むんだろうかっていう。

かまぷ お昼ごはん用意しないほうが……余ると捨てるのもったいない。

日高 そう(笑)。そういうのがあるので。結局われわれとしては、試行錯誤していくしかない。うまく回っているように見える裏には、スタッフの絶え間ない努力、さまざまな検討が見え隠れしているんです。ただDroidKaigiだけの知見になってしまうともったいないと思っていたので、例えば技術書典の運営にも、DroidKaigiなど別イベントの知見を重ね合わせていくようなイメージですね。

かまぷ 人が集まれば集まるほど、いろんな声が聞こえるからね。

日高 そうなんですよ。本当に人って面白いなと思いますね。

ゆうこ 私自身、Web記事の編集者をやってますし、いろんな方が、アドベントカレンダーや、Techブログ、QiitaなどのWebで技術情報を発信しまくっている時代ですよね。その時代に、技術情報を紙としてまとめるのは、受け手側も含めどういう意義やメリットがあると思いますか?

日高 Webって、何かを調べたいというときに、土地勘と言いますか、その技術について知ってないと調べにくいがわりとあって。インストール方法が古かったりとか、ちょっとした差につまずいたりすることもあると思います。本というのは、そういうところの知識を、信頼できる形でぎゅっとまとめる。本にするのでみんな間違いがないように書くし、ある程度レビューもされてるし、安心感があるところがポイントかな。ちょっと商業図書と違うのは、同人誌なので書きたい内容を書いてしまえて、自分の知識を積み重ねられるのもポイントだなと思います。締め切りがあると人はそこまでにやらないといけないという強い気持ちにとらわれるので、締め切り駆動って大事だな。

かまぷ 締め切りドリブンカッコいい! 締め切り守らない人をどう教育されてるんですか?

日高 上がってきたタイミングで最速でフォローするといつも言ってまして。僕が頑張れば済む。

ゆうこ 日高さんはしんどいかもしれないけど、間に合う。

日高 印刷所にPDFを入れるまでは間に合うっていう姿勢ですね。そこまではセーフなんですよ。

ゆうこ 落としてしまう書き手もいらっしゃるんですか?

日高 けっこう皆さんしっかりしている。仲間内だからか、わりと早めにアラートは出してくれるし。

かまぷ でも俺がなんとかするよとか言われたら、ああ頑張んなきゃとか思うよね。

日高 わりと駄目そうなら先に言ってくれるし、駄目そうでも、上がってきたら僕がなんとかするという感じでフォローするというのが、緩やかかどうかはわからないですが、特徴的なやり方だと思います。

ゆうこ 初心者が本をつくると思うとハードルを感じちゃうんじゃないかなと思うんですけど、これから始めるにはどうしたらいいですかね?

日高 普通に本をつくろうとすると、めちゃくちゃ難しいんですよね。きれいな形にしないといけないのに、そういう知識は書く人持ってないので。なので、Re:VIEWという、マークダウンのような書き方で本が作れるツールを使って本を作るための本『はじめてのReVIEW』を無償で公開しているんです。1人で作るんだったらWord、一太郎でも大丈夫ですって言ってますね。

ゆうこ まずは何かしら申し込んでみるところですかね?

日高 それも一つですね。先ほどの締め切り駆動っていう感じでは、やっぱり(笑)。

かまぷ でも本制作の経験がない人をコミケ側は出展させるのですか?

日高 大丈夫ですよ。前回の技術書典も、25パーセントの人は初めて参加して本をつくりますっていう人たちだったんです。僕たちも「技術書の作り方勉強会」を開催してサポートしてたんですけど。結果的に25パーセントけっこういい数字だったんじゃないかなっていう。

ゆうこ 初めての方々は、コミケだと余計ハードル感じちゃいそうですもんね。そもそもどうやって申込書ゲットしたらいいの? とか。

日高 そうですね。コミケって申込がすごく早いんですよ、実は。夏コミに出ようとすると、冬の12月には申込書を買わないといけないので。8か月前から準備しなければならず、けっこうハードルが高いんです。

ゆうこ 買わなきゃいけないんですね(笑)。

日高 そうなんですよ。申込書を1000円で買うところから始まる(笑)。

ゆうこ さらに当選したら出展料を払い、で。初めての人向けのミートアップってどういうことをやられてるんですか?

日高 まずは緊張してると思うので、書きたいことを書いていいんだとか、こういう本があるよって同人誌をいくつか見せて、雰囲気をつかんでもらう。いわゆるコピー機でつくった本も世の中にはたくさんあるので、それでいいんだってまず思ってもらうのが大事じゃないかなと。

かまぷ ホチキスで止めてあったりとかするって驚きです。じゃあ技術書典もそういう書籍があるんでしょうか?

日高 たくさんありましたよ。しかもそういうのが完売になってしまったので、キンコーズに行って追加生産をしたという人もいて。追加分が来たときは拍手で迎えられるっていう(笑)。

次のページ
情報発信は地に足の着いたところから始めるのがオススメ

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
かまぷとゆうこのデベロッパーズ☆ラジオ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

かまた ひろこ(カマタ ヒロコ)

イベントとお酒と人が好き。TechLION/TechGIRL/Linux女子部界隈で活動。社会人ディベートサークル、JBDF役員。2014年よりSoftwareDesignにて軽酔対談『かまぷの部屋』を連載、2016年2月で終了。(特技:傾聴)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/9960 2017/02/08 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング