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新機能でさらに便利になったAndroid Studio 3.4を知ろう

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レイアウトエディタの属性パネルがリニューアル

 レイアウトエディタ自体の使い勝手も改善されています。Attributes(属性)ビューの内部が、セクションごとに折りたためるようになり、設定可能なすべての属性が表示されるようになりました。従来は図10の部分が1階層深い場所に配置されており、見つけづらくなっていました。

図10:Attributesの階層が浅くなった
図10:Attributesの階層が浅くなった

 今回のアップデートにより、少しマイナーな属性を探す場合にも、見つけやすくなります。

 また、textColorなどで色選択を行うためのカラーピッカーも改善されています(図11)。

図11:新しいカラーピッカー
図11:新しいカラーピッカー

 ピッカーの下部には、ドロップダウンがあり、マテリアルデザインで定められた色の濃さ(50~900、A100~A700)を切り替えることができます(図12)。

図12:マテリアルデザインのカラー
図12:マテリアルデザインのカラー

 マテリアルデザインの多彩なカラーパレットを利用することで、より鮮やかなアプリを作りやすくなりそうです。

build.gradleの編集がGUIからできるようになった

 今回のアップデートで、Project Structure Dialog(プロジェクト構成ダイアログ)の機能が大幅に追加され、build.gradleで頻出する記述をGUIから設定するための機能が強化されました。

 プロジェクト構成ダイアログは、メニューのFile > Project Structure...から開きます(図13)。

図13:プロジェクト構成ダイアログの開き方
図13:プロジェクト構成ダイアログの開き方

 プロジェクト構成ダイアログが開くと、図14の見た目になっています。

図14:プロジェクト構成ダイアログ
図14:プロジェクト構成ダイアログ

 各メニューでは、次のことができるようになっています。

  • Project:プロジェクト全体に関すること
  • SDK Location:パソコン内でのAndroid SDKの置き場所に関すること
  • Variables:Gradleファイル内で扱う変数に関すること
  • Modules:アプリ内のモジュール管理に関すること
  • Dependencies:ライブラリの管理に関すること
  • Build Variants:ビルドバリアントに関すること
  • Suggestions:Android Studioからの改善提案の確認

 ProjectやSDK Locationはほぼ従来のままです。また、Modules、Dependencies、Build Variantsについても、従来はModulesメニューの中に埋もれていたものを、浅い階層に露出させて使いやすくしたものになっています。

 今回のアップデートで特筆すべき新機能は、VariablesとSuggestionsです。

Variablesによるバージョン記述などの共通化

 Variables機能では、Gradleの設定の中で利用できる、共通の変数を定義できます。数値や文字列といった値だけではなく、図15のようにMap型の連想配列を定義することも可能です。

図16:Variablesの設定
図15:Variablesの設定

 この機能の追加を受けて、Dependencies機能からVariablesを利用できるようになりました(図16)。

図17:Dependenciesで変数が利用できる
図16:Dependenciesで変数が利用できる

 マルチモジュールでアプリを作る際には、モジュール間でライブラリのバージョンを合わせる必要が出てきます。そういった場合に、このVariablesの機能は強い味方になるでしょう。

Suggestionでライブラリを最新に保つ

 Suggestion機能では、Dependenciesに定義されたライブラリについて、更新を提案してくれます。現在使っているものより新しいバージョンのライブラリが配布されていることを検知すると、リストに並んで「Update」が押せるようになります(図17)。

図18:更新可能なライブラリの一覧
図17:更新可能なライブラリの一覧

 この機能はDependencies機能にも統合されており、更新がある場合には図18のように、Dependenciesの詳細情報の下に表示されます。

図19:DependenciesにもSuggestionが表示される
図18:DependenciesにもSuggestionが表示される

 なお、この機能はVariablesを使用した場合にも有効です(図19)。

図20:バージョンをVariablesで指定している場合
図19:バージョンをVariablesで指定している場合

 この場合は更新ボタンのラベルが「Update Variable」になり、Variablesの設定だけが更新される挙動になります。

 定期的にライブラリのバージョンを上げておくことで、比較的少ない労力でアプリの品質を保つことができます。今回例に挙げた、betaやalphaといったバージョンにするのは怖いですが、不具合修正のバージョンアップであればしない理由はほとんどありません。Suggestionsは品質の強い味方となるでしょう。

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JetpackやFirebaseのライブラリ追加が容易になった

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 中川幸哉(ナカガワユキヤ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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