レイアウトエディタの属性パネルがリニューアル
レイアウトエディタ自体の使い勝手も改善されています。Attributes(属性)ビューの内部が、セクションごとに折りたためるようになり、設定可能なすべての属性が表示されるようになりました。従来は図10の部分が1階層深い場所に配置されており、見つけづらくなっていました。
今回のアップデートにより、少しマイナーな属性を探す場合にも、見つけやすくなります。
また、textColor
などで色選択を行うためのカラーピッカーも改善されています(図11)。
ピッカーの下部には、ドロップダウンがあり、マテリアルデザインで定められた色の濃さ(50~900、A100~A700)を切り替えることができます(図12)。
マテリアルデザインの多彩なカラーパレットを利用することで、より鮮やかなアプリを作りやすくなりそうです。
build.gradleの編集がGUIからできるようになった
今回のアップデートで、Project Structure Dialog(プロジェクト構成ダイアログ)の機能が大幅に追加され、build.gradleで頻出する記述をGUIから設定するための機能が強化されました。
プロジェクト構成ダイアログは、メニューのFile > Project Structure...から開きます(図13)。
プロジェクト構成ダイアログが開くと、図14の見た目になっています。
各メニューでは、次のことができるようになっています。
- Project:プロジェクト全体に関すること
- SDK Location:パソコン内でのAndroid SDKの置き場所に関すること
- Variables:Gradleファイル内で扱う変数に関すること
- Modules:アプリ内のモジュール管理に関すること
- Dependencies:ライブラリの管理に関すること
- Build Variants:ビルドバリアントに関すること
- Suggestions:Android Studioからの改善提案の確認
ProjectやSDK Locationはほぼ従来のままです。また、Modules、Dependencies、Build Variantsについても、従来はModulesメニューの中に埋もれていたものを、浅い階層に露出させて使いやすくしたものになっています。
今回のアップデートで特筆すべき新機能は、VariablesとSuggestionsです。
Variablesによるバージョン記述などの共通化
Variables機能では、Gradleの設定の中で利用できる、共通の変数を定義できます。数値や文字列といった値だけではなく、図15のようにMap型の連想配列を定義することも可能です。
この機能の追加を受けて、Dependencies機能からVariablesを利用できるようになりました(図16)。
マルチモジュールでアプリを作る際には、モジュール間でライブラリのバージョンを合わせる必要が出てきます。そういった場合に、このVariablesの機能は強い味方になるでしょう。
Suggestionでライブラリを最新に保つ
Suggestion機能では、Dependenciesに定義されたライブラリについて、更新を提案してくれます。現在使っているものより新しいバージョンのライブラリが配布されていることを検知すると、リストに並んで「Update」が押せるようになります(図17)。
この機能はDependencies機能にも統合されており、更新がある場合には図18のように、Dependenciesの詳細情報の下に表示されます。
なお、この機能はVariablesを使用した場合にも有効です(図19)。
この場合は更新ボタンのラベルが「Update Variable」になり、Variablesの設定だけが更新される挙動になります。
定期的にライブラリのバージョンを上げておくことで、比較的少ない労力でアプリの品質を保つことができます。今回例に挙げた、betaやalphaといったバージョンにするのは怖いですが、不具合修正のバージョンアップであればしない理由はほとんどありません。Suggestionsは品質の強い味方となるでしょう。