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便利な入力部品が多数追加! JavaScript入力コントロール「InputManJS」最新バージョンV3J

軽量で多機能なJavaScript入力コントロール「InputManJS」の紹介

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V3Jで追加された新コントロールを試す

 V3Jでは、新コントロール「電卓コントロール」「ファンクションキーコントロール」「ソフトウェアキーボードコントロール」「ショートカットキーコントロール」が利用できるようになりました。それぞれについて以下で利用方法を説明します。

フォームに電卓を表示できる電卓コントロール

 電卓コントロールは、画面に電卓を表示します。単独で電卓を表示するほか、テキストボックスと紐づけたドロップダウン電卓やポップアップ電卓も利用できます。

図3 電卓コントロールのサンプル(p002-calc)
図3 電卓コントロールのサンプル(p002-calc)

 電卓コントロールは、リスト3の通り生成します。

[リスト3]電卓コントロールの生成処理(p002-calc/main.js)
// 電卓コントロールを生成 ...(1)
var gcCalculator
  = new GC.InputMan.GcCalculator(document.getElementById('gcCalculator'));
// ドロップダウン電卓を表示する数値コントロールを生成 ...(2)
var gcNumber1
  = new GC.InputMan.GcNumber(document.getElementById('gcNumber1'), {
    // ドロップダウンを指定 ...(2a)
    showCalculatorAsDropDown: true,
    // 電卓ボタンの位置:右 ...(2b)
    calculatorButtonPosition: GC.InputMan.DropDownButtonAlignment.RightSide
  });
// ポップアップ電卓を表示する数値コントロールを生成 ...(3)
var gcNumber2
  = new GC.InputMan.GcNumber(document.getElementById('gcNumber2'), {
    // ポップアップを指定 ...(3a)
    showCalculatorAsPopup: true,
    // 電卓ボタンの位置:左 ...(3b)
    calculatorButtonPosition: GC.InputMan.DropDownButtonAlignment.LeftSide
  });

 電卓コントロールを単独で表示するには、(1)の通りGC.InputMan.GcCalculatorコンストラクタを実行します。

 ドロップダウン電卓を設定するには(2)の通り、数値コントロール(GcNumber)コンストラクタの第2引数に属性を指定します。(2a)は電卓をドロップダウンで表示する指定、(2b)は電卓を表示するボタンをコントロールの右に配置する指定です。

 ポップアップ電卓を設定するのも同様に、数値コントロールのコンストラクタに属性を指定します(3)。(3a)で電卓のポップアップ表示、(3b)で電卓を表示するボタンの配置(左側)を指定しています。

フォームにファンクションキーの機能を追加するファンクションキーコントロール

 ファンクションキーコントロールは、ファンクションキー(F1~F12キーなど)押下時の処理を割り当てられるコントロールです。図4のサンプルでは、(1)の通り画面にファンクションキーのガイドを表示するとともに、(2)の通りキー押下時に処理を実行することができます。Shift+F12といった組み合わせのキーは、デフォルトでは(3)の通り最初のキー(ここではShiftキー)を押下したときだけ表示されますが、(4)の通り常にすべてのファンクションキーを表示することもできます。

図4 ファンクションキーコントロールのサンプル(p003-fnkey)
図4 ファンクションキーコントロールのサンプル(p003-fnkey)

 図4のファンクションキーコントロールを生成する処理は、リスト4の通りです。

[リスト4]ファンクションキーコントロールの生成処理(p003-fnkey/main.js)
// ファンクションキーコントロールを生成 ...(1)
var gcFunctionKey
  = new GC.InputMan.GcFunctionKey(document.getElementById('gcFunctionKey'), {
    // ファンクションキーの定義 ...(1a)
    functionKeys: [
      { key: GC.InputMan.FunctionKey.F1, description: 'F1キー' },
(略:F2~F5キー)
      {
        key: GC.InputMan.FunctionKey.Shift | GC.InputMan.FunctionKey.F12,
        description: 'Shift+F12キー'
      },
      {
        key: GC.InputMan.FunctionKey.Ctrl | GC.InputMan.FunctionKey.Home,
        description: 'Ctrl+Homeキー'
      }
    ],
    // 押下時の処理 ...(1b)
    onActived: function (s, e) {
      alert(e.description + 'が押下されました。');
    }
  });
// ファンクションキーの表示切替(2)
document.getElementById('showAllKeys').addEventListener('change', function (e) {
  if (e.target.checked) {
    // 常にすべてのファンクションキーを表示 ...(2a)
    gcFunctionKey.combinationKeyDisplayMode = 'Always';
  }
  else {
    // Shift、Ctrl押下時のみ、各キーに対応するファンクションキーを表示 ...(2b)
    gcFunctionKey.combinationKeyDisplayMode = 'Dynamic';
  }

 (1)の通り、GC.InputMan.GcFunctionKeyコンストラクタを実行してコントロールを生成します。コンストラクタの第2引数には、まずファンクションキーの定義をfunctionKeys属性(1a)に設定します。ShiftやCtrlといったほかのキーとの同時押しも定義できます。次に押下時の処理をonActived属性(1b)に設定します。イベントハンドラの第1引数sはファンクションキーコントロールの変数、第2引数eはイベント変数です。ここではe.descriptionプロパティからファンクションキーの名前を取得して画面に表示します。

 (2)では、画面上のチェックボックスでファンクションキーの表示を切り替えられるようにしています。チェックボックスにチェック時は、(2a)によりcombinationKeyDisplayModeプロパティを「Always」(すべてのファンクションキーを表示)、未チェック時は(2b)により「Dynamic」(Shift、Ctrlキー押下時のみ対応するファンクションキーを表示)にしています。

画面にキーボードを表示するソフトウェアキーボードコントロール

 ソフトウェアキーボードコントロールは、図5の通り、テキストボックスに文字入力できるキーボードを画面に表示するコントロールです。

図5 ソフトウェアキーボードコントロールのサンプル(p004-keyboard)
図5 ソフトウェアキーボードコントロールのサンプル(p004-keyboard)

 このサンプルでは、図6の通り、数字のみを表示、英大文字の非表示、QWERTY配列(PCのキーボードと同じアルファベットの配列)といったキーボードの表示形式を変更できるようにしています。

図6 ソフトウェアキーボードのさまざまな表示形式(p004-keyboard)
図6 ソフトウェアキーボードのさまざまな表示形式(p004-keyboard)

 ソフトウェアキーボードを生成する処理は、リスト5の通りです。

[リスト5]ソフトウェアキーボードコントロールの生成処理(p004-keyboard/main.js)
// ソフトウェアキーボードコントロールを生成 ...(1)
var gcSoftKeyboard
  = new GC.InputMan.GcSoftKeyboard(document.getElementById('gcSoftKeyboard'), {
    target: document.getElementById('input') // 入力の反映先 ...(1a)
  });
// テキストボックスフォーカス時の処理 ...(2)
document.getElementById('input').addEventListener('focus', function () {
  gcSoftKeyboard.open(); // キーボードを表示 ...(2a)
});

 (1)の通り、GC.InputMan.GcSoftKeyboardコンストラクタを実行してコントロールを生成します。コンストラクタの第2引数には、ソフトウェアキーボードの入力内容を反映する要素をtarget属性に設定します(1a)。また、このサンプルでは、テキストボックスをフォーカスしたときの処理(2)で、コントロールのオブジェクトgcSoftKeyboardのopenメソッドを実行してキーボードを表示するようにしています(2a)。

 ソフトウェアキーボードの表示形式を変更する処理は、リスト6の通りです。

[リスト6]ソフトウェアキーボードコントロールの表示形式を変更する処理(p004-keyboard/main.js)
// 表示形式の変更 ...(1)
document.getElementById('onlyNumeric').addEventListener('change', function (e) {
  // デフォルトはすべてのキーを表示
  var displayType = GC.InputMan.DisplayType.All;
  // チェック時は数字のみ
  if (e.target.checked) {
    displayType = GC.InputMan.DisplayType.Numeric;
  }
  // displayTypeを設定 ...(1a)
  gcSoftKeyboard.displayType = displayType;
}, false)
// 大文字の表示/非表示 ...(2)
document.getElementById('hideCapital').addEventListener('change', function (e) {
  gcSoftKeyboard.showCapitalLetters = !e.target.checked;
}, false)
// キー配列の切り替え ...(3)
document.getElementById('querty').addEventListener('change', function (e) {
  gcSoftKeyboard.qwertyLayout = e.target.checked;
}, false)

 表示するキーの切り替えは(1)です。チェックボックスの値により、すべてのキーを表示するGC.InputMan.DisplayType.Allか、数字のみを表示するGC.InputMan.DisplayType.NumericをdisplayType変数に設定して、(1a)でdisplayTypeプロパティに設定します。

 大文字キーの表示切替(2)ではshowCapitalLetters、キー配列の切り替え(3)ではqwertyLayoutの各プロパティにtrueかfalseを設定します。

コントロールにショートカットを設定するショートカットキーコントロール

 ショートカットキーコントロールは、InputManJSのほかのコントロールやHTML要素に対してショートカットキーを割り当てるコントロールです。図7のサンプルでは、数値コントロールと日付時刻コントロールをショートカットキーで操作できるようにしています。

図7 ショートカットキーコントロールのサンプル(p005-shortcut)
図7 ショートカットキーコントロールのサンプル(p005-shortcut)

 このサンプルでは、表2に示すショートカットキーが利用できます。

表2 図7のサンプルで利用できるショートカットキー
キー 動作
p 前のフィールドまたはコントロールにフォーカス移動
n 次のフィールドまたはコントロールにフォーカス移動
c コントロールの値をクリア
r ドロップダウンを表示
u スピンアップ(値を1増やす)
d スピンダウン(値を1減らす)

 ショートカットキーを設定するには、リスト7の通り実装します。

[リスト7]ショートカットキーコントロールの生成処理(p005-shortcut/main.js)
// ショートカットキーコントロールを生成 ...(1)
var gcShortcut = new GC.InputMan.GcShortcut();
// 数値コントロールにショートカットキーを追加 ...(2)
gcShortcut.add({
  key: GC.InputMan.GcShortcutKey.R, // ショートカット:R
  target: gcNumber, // 設定先:gcNumber
  action: GC.InputMan.GcShortcutAction.DropDown // アクション:ドロップダウン
});
(ほかのショートカットは略)
// 日付時刻コントロールにショートカットキーを追加 ...(3)
gcShortcut.add({
  key: GC.InputMan.GcShortcutKey.C, // ショートカット:C
  target: gcDateTime, // 設定先:gcDateTime
  action: GC.InputMan.GcShortcutAction.Clear  // アクション:クリア
});
(ほかのショートカットは略)

 (1)でコンストラクタを実行してショートカットキーコントロールを生成後、(2)と(3)のgcShortcut.addメソッドでショートカットキーを追加します。メソッド引数のkeyはショートカット、targetはショートカットを設定するコントロール、actionはショートカットのアクションをそれぞれ設定します。(2)では数値コントロールに「r」でドロップダウン、(3)では日付時刻コントロールに「c」でクリアのショートカットを設定しています。

 ショートカットキーのアクションはInputManJSで定義されているほか、カスタムのアクションを設定することもできます。詳細は公式ページのデモを参照してください。

そのほかの変更点

 新コントロール以外に、V3Jでは以下の機能追加が行われました。詳細は公式ページを参照してください。

フォームデータの永続化

 フォームに入力した内容を永続化して、ページ遷移後やブラウザ終了後でもフォームの内容を復帰できるようになりました。詳細はグレープシティの公式ブログ記事を参照してください。

JavaScriptのプロパティサポート

 InputManJSコントロールに属性を設定するには、リスト8(1)のようなsetterメソッドで記述していましたが、V3Jからは(2)のようなプロパティが利用できるようになりました。プロパティを利用することで、より簡潔に記述できます。

[リスト8]メソッドとプロパティで属性を設定する記述(p001-basic/main.js)
// // メソッドで設定(従来の記法) ...(1)
// gcListBox.setItems(smartphones);
// プロパティで設定(V3Jの新記法) ...(2)
gcListBox.items = smartphones;

ヘルプ・リファレンスの改善

 InputManJSの製品ヘルプやAPIリファレンスが改善されました。より見やすくなり、検索機能が充実しました。

まとめ

 本記事では、Webフォーム用部品「InputManJS」V3Jの新機能を説明しました。新コントロールに代表されるさまざまな新機能により、開発者は見栄えが良く使いやすいWebフォームを実現できます。

参考資料

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この記事の著者

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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