対象読者
C#とWebシステムの基礎的な知識がある方を対象とします。C#の基本文法などの解説は割愛します。
はじめに
前回のつづきで、ASP.NET Coreでホストされたプロジェクトのアプリを作成します。今回は、天気予報が記述されたXMLファイルの処理からとなります。また、Blazorアプリを公開する方法も紹介します。
気象庁防災情報XML
天気予報や注意報、警報などの防災情報は、気象庁のサイトで、XMLファイルとして一般に公開されています。
このXMLファイルを処理する手順は、大きくわけて次の2つになります。
- Atomフィードから気象情報XMLのURLを取得する
- XMLファイルを処理して表示する
なお、気象庁の防災情報XMLの内容については詳細を割愛しますので、興味がある方は、気象庁のサイトを参照してください。
Atomフィードの構造
Atomフィードとは、Webサイトの更新情報などが記されたXMLファイルです。気象庁のサイトでは、発表された気象情報のタイトルや、概要、対象のXMLファイルのURLなどが、Atomフィードとして配信されています。
サイトには、気象情報の種類によって複数のAtomフィードが公開されていて、天気予報のXMLは、こちらのAtomフィードを参照します。
このAtomフィードの内容は、次のようになっています(適宜、要素を省略しています)。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom" lang="ja"> <title>高頻度(定時)</title> <updated>2021-05-09T11:22:07+09:00</updated> <entry> <title>府県天気予報(R1)</title> <id>http://www.data.jma.go.jp/developer/xml/data/20210508194226_0_VPFD51_130000.xml</id> <updated>2021-05-08T19:42:24Z</updated> <content type="text">【東京都府県天気予報】</content> </entry> ... </feed>
<feed>要素以下に、複数の<entry>要素があります。<entry>要素には、発表された気象情報のデータが記述されています。したがって、この<entry>要素を検索して、該当府県コードの天気予報XMLのURLを抽出すればいいことになります。