アクセシビリティの低い要素を自動的にテストする
こうした課題の解決に取り組むには品質保証(QA)をさらに進化させた「品質エンジニアリング」が必要になるとodasho氏は強調した。そして、品質エンジニアリングの成熟度を示して、レベルを向上させていく重要性を説いた。開発後に手動でテストを行っていると、どうしても属人化やサイロ化が起きやすくなってしまう。適切にテスト項目の棚卸を実施し、そのうえで自動テストを開発に組み込みシフトレフトを進めていく。さらにはアクセシビリティなどの非機能要件まで含めて、最終的にデータに基づいて継続的な品質の改善を行っていくことを指す。
ここで、odasho氏はアクセシビリティテストについて掘り下げた。 アメリカやヨーロッパ、日本を中心とする国々が、W3Cが策定したアクセシビリティのガイドラインであるWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)を採用している。アメリカでは、昨年約4000件のアクセシビリティ関連の訴訟が起こっている。ここでいうアクセシビリティとは、どのような人でも十分にウェブサイトへアクセスできるようにするといった内容を指している。
「こうしたガイドラインに適合しているか人間がチェックをするのは簡単ではありません。多くの項目を手動でチェックしていくのは現実的ではないと思います。そこで、mablのようなテスト自動化プラットフォームを使っていただく必要性をご理解いただけると思います」
そこでodasho氏は、mablのテスト自動化プラットフォームを使ってアクセシビリティをテストするデモ動画を見せた。たとえば、ダークモードでの表示で著しく視認性の悪い要素を自動的に検出できるのだ。
継続的な品質改善に求められる取り組みとは
ここでodasho氏は話を戻して、品質エンジニアリングで具体的にどのような取り組みが必要になるのか解説した。
まずは、目標設定だ。たとえば、本番環境までのリリース時間の短縮やテストカバレッジの改善などが考えられる。続いて、この目標についてチームとして合意した上でKPIを設定する。そして、このKPIを基にして現状の測定と改善を進めていく。
さらに、こうした取り組みのために明確にしておくと役立つ、情報やテスト体制の階層化についても紹介した。mablでは、こうした情報をmabl University内での学習コンテンツや定期ウェビナーなどで提供し、認定資格制度も用意している。改めて、mablはアジャイルチームのために作られたインテリジェントなテスト自動化プラットフォームであると強調した。
「テストカバレッジの向上や信頼性の高いテストの構築は、QAでボトルネックになりがちな部分です。そこを自動化することで、スピードを落とさずに開発を進められます。すでにDevOpsを採用したり、CI/CDに取り組んでいたりする開発チームでも違和感なくご利用いただけると思いますので、興味があればご活用いただけると嬉しいなと思います」このように語ってセッションを終えた。
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