仕事内容が悩みだった、大手安定企業から未経験でエンジニアに転職
阿部拓海氏は、新卒で油脂メーカーに入社後、2020年に受託開発のベンチャーへの転職を経て、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせた。さらに2021年にセーフィーに入社し、現在は「クラウド録画サービス」のフロントエンドエンジニアとして活躍中だ。同社にはフロントエンド以外にもバックエンドやインフラエンジニア、カメラのデバイスエンジニア、AIエンジニアなど、さまざまな職種のエンジニアが働いている。
「クラウド動画サービスの市場そのものが成長しており、製品シェアも好調を維持している。さまざまな業界や用途で利用されるアプリケーション開発に関わっていることも、エンジニアとして働く魅力」と阿部氏は語る。
しかし、そんな阿部氏も、これまで3社を経験する中で、それぞれの会社で悩みを感じてきた。1社目の油脂メーカーは創業100年、従業員数500人以上を擁する会社で、年功序列が続く典型的な日本の大企業だった。安定はしていたものの、若年層のチャレンジを推奨する文化はなかったという。「歴史があって安定しており、あとは大学の研究室で行っていた研究を活かせるし、ある程度のお金を稼げるかなと考え入社を決めた」と阿部氏は入社理由を振り返る。
そこでは、油の製造・生産管理を行い、油の品質チェックなども行っていたが、1年ほどで徐々に"悩み"が生じてきた。毎日同じ作業を繰り返しており、その作業に興味が湧かない。さらに50代の大先輩が入社1年目の自分と仕事の内容が変わらないことに気づき、成長できないのではないかという懸念。さらに、他部署の同期が仕事を楽しそうにやっていたことに対して少し劣等感を抱くようになっていた。1年ほど経った後に、真剣に部署異動を懇願するものの簡単に却下され、「5年くらいは頑張れ」と言われたことが転職を決意するきっかけになった。
「たまたま個人的にプログラミングに触れる機会があり、独学で勉強するようになっていた。子どもの頃からものづくりが好きで、プログラミングを仕事にできないかと考えるようになった。エンジニア転職全盛期で『駆け出しエンジニアとつながりたい』などのタグがバズるなど、漠然とエンジニアになったらお金を稼げる風潮にも流された」と阿部氏は振り返る。さらに、エンジニアのリモートワークが浸透してきたこともあり、通勤時間を減らして、好きな場所に住んでみたいと思ったことも転職の後押しとなった。