限られたリソースで、その道の第一人者を目指すには?
Point3:効果的な投資をしよう
そして、3つめのポイントである「効果的な投資」について、古山氏は再び「イノベーター理論」になぞらえ、「イノベーターとアーリアダプターを志向しても、キャズム超えの領域であればなおさら、必ずそこには先人がいて、彼らを追い越すのは難しい場合が多い」と語る。つまり、キャッチアップのためのサポートは受けやすいため、追いつくことはできても、その先はなかなか難しい。
そこで、新しいことに挑戦するなら、「時間やコストなどの全リソースを効果的に活用して、ホワイトスペースを狙うべき」と提案した。
古山氏は「これをやっておけば大丈夫、というテクノロジーなどない。流行を追い続けることを楽しめるなら、アンテナを張っていけばいいし、それが投資先の発見につながる」と、第一人者への道筋を示した。
新しいことをやり続けなければならないかといえばそうでもない。古山氏は、今働いている会社の中でもプロジェクトの中でも、日々の業務でも必ず「手つかずの領域」があり、それは技術だけでなく、効率化やフィードバックなども該当すると語った。
そして「みんなが気づいてないところにチャレンジして、その第一人者になることが効果的であり、その先のキャリアにもつながる」と強調した。
そのためには、苦手なことを克服するというより、得意なことを伸ばした方がよいという。古山氏も、テストエンジニアだったときには漏れやミスに気づかず、細やかに突き詰めて調べることが苦手だった。それよりも新しいことや効率化を考えることが好きで得意だった。得意で楽しい領域にトライした方が成果が出しやすく、結果、生きやすさも感じられた。
最後に古山氏は「皆さんの価値は、これからどんどん上がっていく。エンジニアとしても1人の人間としても成長は続く。いつでも、どこでも、誰とでも、自分を活かせるチャンスや場所は世界にも国内にもたくさんある。これだと決め付けずにしっくりくるポジションを見極め、ハッピーなエンジニアライフを過ごしていただきたい」と語り、セッションのまとめとした。