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Developers Summit 2024 セッションレポート

「当たり前」の工夫を重ねて開発者の負担を軽減! 今すぐ始める「Platform Engineering」入門

【15-D-9】Platform Engineeringことはじめ~コミュニティと一緒に新たな旅に出よう!


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クラウド時代のアプリケーション開発者が抱える課題

 石川氏はまず、ソフトウェア開発や運用の文脈でよく使用される「You build it, you run it」というフレーズを引用した上で、開発者が開発以外の作業、例えばビルド、テスト、デプロイ、運用などの責任も負っていくことが求められる現状に対し、「現在のソフトウェア開発はそんなに簡単ではない」と課題感をあらわにする。

株式会社CAM Creative Division/Platform Engineering Meetup 石川 諒氏
株式会社CAM Creative Division/Platform Engineering Meetup 石川 諒氏

 例えばアプリのデプロイひとつ取っても、サービスの裏側にはさまざまな技術が組み合わされているため、開発者の認知負荷は非常に高くなり、これらをすべてやり切れる人材は限られているというのだ。

出典:Platform Engineeringへの招待
出典:Platform Engineeringへの招待

現代のソフトウェア開発は複雑で認知負荷が高すぎるため、「You build it,you run it」を簡単には体現できない

 ここで石川氏は、アプリ開発者が実際どのような時に課題や認知負荷を感じているかを具体的に示すため、架空の人物「ボブ・スミス」の体験をストーリー仕立てで語り始めた。

 ストーリーはこうだ。アプリケーションデベロッパーのボブは、入社して数カ月が経過し、会社の主要なプロダクトに新機能を開発するためのプロジェクトにアサインされた。この会社では、異なる機能やコンポーネントに応じて、Go言語やPython、Node.jsなど複数の言語が使い分けられている。

 ボブはこれまでの経験を活かし、より大きな責任を持つプロジェクトに取り組むことを期待していたが、実際にプロジェクトが始まると、自分の力だけではどうにもできないようなさまざまな課題に直面する。環境構築で何から手を付けていいか分からなかったり、必要なドキュメントがなかなか見つからなかったり、チームメンバーとスムーズにコミュニケーションが取れなかったり……そのどれもがボブのエネルギーを削り取っていく。

 このような経験を通してボブは、スケジュールの圧迫感やフラストレーション、「うまくいかないのは自分のスキルに問題があるからでは」という自己疑念を抱き始め、アプリ開発への自信を失ってしまった。

開発を通じ、自信を失う「ボブ」。リアリティのあるストーリーに心を痛める聴衆も多かったはずだ
開発を通じ、自信を失う「ボブ」。リアリティのあるストーリーに心を痛める聴衆も多かったはずだ

 なんとも心の痛むストーリーを受けて、石川氏は「ここには3つの課題がある」と指摘する。「環境構築の難しさ」「不十分なドキュメントとアクセスの問題」「チーム間のコミュニケーション」だ。

 まず、「環境構築の難しさ」は、十分な手順書が提供されておらず、どこから手を付ければいいかが分からない、あるいは設定をどうやって行えば良いか分からないという課題だ。エラーなどの解決方法が共有されず、作業に多くの時間を要してしまう事態は、スケジュール管理に深刻な影響を与える。

 「不十分なドキュメントとアクセスの問題」には、そもそもドキュメントを見つけるのが難しかったり、ドキュメント内にあるプロジェクト特有の専門用語を正しく理解できなかったり、ドキュメントの更新がされていなかったりすることのほか、ドキュメントへのアクセス権がなく欲しい情報へリーチできない、権限申請に時間がかかるといった課題が含まれる。

 「チーム間のコミュニケーション」には、チーム間でのコミュニケーション方法が確立されておらず、それぞれのコミュニケーション手段を変えなければならないこと、また情報の共有が適切に行われず、互いの認識に齟齬が生まれ開発に支障をきたしてしまうことなどが挙げられる。

 「これらの課題を解決する手立てこそ、Platform Engineeringだ」と石川氏は語る。解説のバトンを受け取ったのは、吉川氏だ。

アプリ開発者の課題を解決できる手段の一つとして、Platform Engineeringが提示された
アプリ開発者の課題を解決できる手段の一つとして、Platform Engineeringが提示された

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Platform Engineeringが導く課題解決の方法

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この記事の著者

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

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水無瀬 あずさ(ミナセ アズサ)

 現役エンジニア兼フリーランスライター。PHPで社内開発を行う傍ら、オウンドメディアコンテンツを執筆しています。得意ジャンルはIT・転職・教育。個人ゲーム開発に興味があり、最近になってUnity(C#)の勉強を始めました。おでんのコンニャクが主役のゲームを作るのが目標です。

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