チケット管理ツールをユーザー部門にも浸透させる工夫
クレディセゾンにおけるLychee Redmine活用のポイントを見ていこう。まず仕組みとしてチケット番号、Gitの管理番号、ブランチの番号を紐付けるようにしていて、チケット毎に開発して、プルリクをあげてもらい、マージできるようにしている。そうするとプルリクをクローズすると、チケットもクローズすることができる。
ユーザー部門とシステム部門では関心事が異なるため、チケットはプロジェクトを分けて管理するようにしている。必要なチケットは関連チケットということで紐付けている。
Lychee Redmineにはバージョンに関連付けられたチケットの一覧を表示する「ロードマップ」という機能がある。アジャイル開発では短いサイクルで成果を出すという性質上、このロードマップには短いサイクルで設定するようにしている。細かい温度感は各チームのテックリードに任せており、メンバーレベルに応じてコントロールしてもらっている。
長南氏は「複雑に使わず、できるだけシンプルに利用する」と強調する。というのも、難しくしてしまうと、ユーザーが離れてしまうそうだ。「特にユーザー部門がすごい勢いで離れます。すぐにメールに戻ったり、Excelで一覧管理を始めたりしてしまいます。ですので、(複雑化しないように)気をつけています」と念を押す。
実際のチケット作成画面では、ユーザーが記入するのはトラッカー、題名、説明欄だけだ。必要に応じてシステム部門が開始日や期日をコントロールすることもある。後で返信する際には、編集、ステータス、担当者の切り替えだけにして、クローズはシステム部門が行う。
定型業務や定例会などはひな形を作成しておいて、当日確認したいことやQAを記載してから打ち合わせを行うようにしている。長南氏は「こうすることで認識齟齬が減り、互いに準備してから臨めるといった利点があります」と言う。
Lychee RedmineだとSlackと連携できるのも利点だ。関連するSlackのChannel名を設定しておくと、設定したSlack Channelにチケットの編集内容などが投稿される。そのためユーザーはSlackを見ているだけで進捗状況を把握できる。
GitHubとの連携は「git-flow」と呼ばれるGitブランチ管理を使っている。開発に関する各種ブランチ名やコミットメントをチケットと紐付ける。こうすることで、履歴を追跡しやすくなり、各種タスクの幅を縮めることで認識しやすくなる効果が期待できる。
IDEのIntelliJ IDEAとの連携はAPIアクセスキーを設定することで、Lychee Redmineの自分のタスクが表示されるようになる。ソースコードに変更を加えた場合、チェンジリストで変更したソースコードがLychee Redmineのチケットから作ったタスクごとに管理される。
工数管理をしているなら、ガントチャート機能も有効だ。開始日や期日、担当者、ステータスなどの編集も管理画面上から簡単にでき、ロードマップ毎にPDF出力をして、進捗状況の報告も可能。他にも、チケットの着手状況や完了具合もCSVでサマリーレポートとして出力できるため、プロジェクトの最新の状況を把握しやすくなると言う。
長南氏は「チケット管理を通じて当事者意識を高めることを意識しています」と話す。当初はユーザー部門はモード1だったが、チケット管理ツールに慣れてもらうことで、自然とモード2的なコミュニケーションを実践できているようだ。
まとめとしてLychee Redmineの効果について長南氏は次のように振り返る。「以前は課題一覧表がExcelで送られてきましたが、1か月ほどでなくなりました。報告資料や個人タスクはExcelで報告していましたが、Lychee RedmineでCSV出力できて資料のまとめ作業がなくなりました。Lychee Redmineで管理業務を軽減できて、チーム内外のコミュニケーションもスピードアップできています」
プロジェクト管理に課題を感じている方におすすめです!
使いやすさ抜群のガントチャートやダッシュボードで、日々の進捗を確認。複数プロジェクトの場合でも、プロジェクトレポートでまとめて状況を把握できます。その他にも工数の見える化、EVM、CCPM、アジャイル開発に使えるカンバン&バックログなど豊富な機能でプロジェクトの成功をバックアップします。本記事で興味を持たれた方は、Lychee Redmine公式サイトからお問い合わせください。