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クレディセゾンのDXを支えるバイモーダル戦略とは? 要となるコミュニケーション手法と共に解説

【24-A-8】アジャイル時代の内製開発「チケット管理と伴走型開発のリアル」

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情報共有手段をメールとExcelからチケット管理ツールへ

 実際のクレディセゾンにおけるDXのプロジェクト運営に話題を移そう。多数の部署やITベンダーとの調整が必要になるなか、コミュニケーションや情報共有手段がメールやExcelが中心となっていた。慣れ親しんだ手段なので無理もないとはいえ、非効率さがタスク管理の課題となっていた。

 そこでチケットベースのタスク管理の採用が検討の俎上に浮上した。それまで進捗確認のために誰かが議事録を作成してメールで配布するなどしていたが、チケットベースのタスク管理ツールを活用すれば効率化と迅速化が期待できる。例えば会議でのタスク進捗確認をスピーディーに消化できるだろう。また各自にチケットでタスキングすることで開発者に自律的なスタイルを維持してもらうこと、個別開発の結合度を下げることなども期待できた。

 なお開発現場ではコミュニケーションツールはSlackが定着していた。また開発環境はIDEにIntelliJ IDEA、GitHub、AWSで構成されており、そしてプロジェクト管理にはLychee Redmineを採用した。

 Lychee Redmineは国内の大手企業に多数導入されるなど、使いやすさででは定評があるツールだ。主にガントチャート、カンバン、リソースマネジメント、CCPM、コストマネジメント、EVM(Earned Value Management)、タイムマネジメント、プロジェクトレポートなどの機能が揃っている。あらゆるデータが可視化され、プロジェクトの進捗が直感的に把握できるようになっている。

Lychee Redmineの概要

 長南氏は「プロジェクト管理メンバーが日々の進捗をLychee Redmineのガントチャートやダッシュボードで確認しています。プロジェクトのレポートを抽出することも可能なので、モード1的な報告も簡単にできます」と話す。

 チケット管理の実例を見ていこう。ユーザー部門とは、まず(1)Lychee Redmineでチケットを起票、(2)Slackでメンション、(3)チケットの確認と記載対応、(4)Slackでメンション、(5)クローズという流れで極力シンプルに使っている。メールではなくSlackのオープンチャンネルでメンションを使うため、「見ていない」「報告を受けてない」という事態がかなり軽減できているという。

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ユーザー部門とのやり取りのフロー

 逆にシステム部門とは、まず(1)リード層がベースのチケットを起票、(2)メンバーが各自作業タスクを具体化して自身で子チケットを起票、チケットを分割、(3)チケットごとに開発し、タイミングごとにプルリクをあげる、(4)プルリクがクローズされるとチケットもクローズという流れにしている。

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システム部門とのやり取りのフロー

 長南氏は「大きな作業だとプルリクまでの時間が長引いてしまうので、スモールブランチでコントロールするように心がけています」と話す。基本的には画面単位やモジュール単位でチケットを切り、その後の各種機能は開発メンバーにチケットを起票してもらい、対応してもらう形にしている。「こうすることで開発メンバーは与えられたタスクだけをこなすのではなく、自発的な行動を取れるようにということも意識している」と長南氏は言う。

次のページ
チケット管理ツールをユーザー部門にも浸透させる工夫

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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