フリーランスが抱える悩み、どう乗り越えるべきか
続いて、話題は「フリーランスで働く中でぶつかった壁をどのように乗り越えてきたか」に移った。
イタリアから来日したエルコリ氏は、当初、日本語でのIT用語がわからず、苦労したという。「相手が何を言っているのか理解できなくてつらかったのですが、とにかく前向きな姿勢は忘れずに、これはどういう意味ですか?と都度質問したり、先輩に相談したりして乗り越えました。ひとりで抱え込まないことが大切だと思います」。
この話を受け、藤木氏も「聞く」という行動に移す重要性を説いた。「友達に聞く、先輩に聞く、同業者に聞く。今ならAIに聞いても良い。自分が悩んでいるときは視野が狭くなって、あの人に聞いても、本当にわかるかな?などと疑心暗鬼になりがちだが、あなたより上の立場の人なら、間違いなくあなたよりも多くの引き出しを持っているはず。ぜひ臆せず行動に移してもらいたい」。
とはいえ、忙しい相手に対して、闇雲に質問をしていいわけではない。相手の表情をうかがい、時間を取ってもらえそうなときを見計らって伺いを立てるほか、教えてもらったことはメモに残し、同じ質問を繰り返さないようにするなど、自分なりの誠意を見せることが肝要だ。
続くK氏は、2人とは少し違った角度から回答した。「自分の捉え方次第で、あらゆる困難が壁になってしまう。だが、見えない恐怖心によって壁のように感じているだけで、深く知ってみたら、実は壁ではなかったことが、往々にしてあるのではないか。壁と親しくなる努力も必要なのでは」と見解を述べた。
これを聞いた佐々木氏は、「昨今の働き方改革によって、IT業界でもホワイト化が著しいと言われている。ホワイト化し過ぎて、若手社員から、物足りないとの声が上がっているというアンケート結果もあるほどだ。成長のためには、ある程度、圧がかかった方が良いのだろうか」と投げかけると、K氏は次のように述べた。「それは間違いない。ただ歩いているだけでクリアできるゲームなんて、何も面白くない。ある程度の困難さが、やりがいにつながるはずだ」。