SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2025 セッションレポート

オープンソースで自動運転開発? ティアフォーが語る「自動運転×Web技術」開発のリアルと技術スタック

【13-E-1】自動運転業界におけるエンジニアのスキルと働き方

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

自動運転を支えるバックエンドの技術課題

 最後に紹介されたのは、自動運転を支えるバックエンドの技術的課題とその展望だ。

 まず重要になるのが、リアルタイムデータの処理パイプライン構築だ。とりわけ自動運転における経路探索では、地図に更新が入れば、探索アルゴリズムも適宜見直す必要がある。これが一般的なルーティングと異なる、自動運転特有の要件となっている。

 もう一つの鍵が、OTA(Over-the-Air)によるソフトウェアアップデートをいかに安定的かつ効率的に行うかという点だ。特に将来的に自動運転が社会インフラの一部となれば、クラウド側の更新によってサービスが停止するような状況は許されない。いわゆる「ゼロダウンタイム」の実現は、開発・運用の両面で極めて高い技術的要求を伴う。

 なおティアフォーでは、ヤマハ発動機との合弁による工場内搬送ロボットのサービスにおいて、すでに24時間365日稼働を実現しているといい、「今も鋭意、改善に努めている」と飯田氏は胸を張った。

 こうしたバックエンド領域では、まだ業界標準やベストプラクティスが確立していない部分も多いため、「開発者にとってはまさに試行錯誤のしがいがある、チャレンジングな領域」と飯田氏は熱を込める。

 「自動運転の社会実装には、自動車業界だけでなく、IT、Web、交通、MaaSなどさまざまな業界の連携が必要になる。これまで自分には関係ないと思っていた方にも、自動運転が案外身近な存在であることを感じてもらえたら嬉しい」

 未来の交通インフラは、異分野の知見と挑戦の連続でつくられていくのだ。

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2025 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

夏野 かおる(ナツノ カオル)

 博士。本業は研究者。副業で編集プロダクションを経営する。BtoB領域を中心に、多数の企業案件を手がける。専門はテクノロジー全般で、デザイン、サイバーセキュリティ、組織論、ドローンなどに強みを持つ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井山 敬博(イヤマ タカヒロ)

 STUDIO RONDINOのカメラマン。 東京綜合写真専門学校を卒業後、photographer 西尾豊司氏に師事。2008年に独立し、フリーを経て2012年からSTUDIO RONDINOに参加。 STUDIO RONDINO Works

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/21691 2025/07/23 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング