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LLMが開発を誤らせることもある──次世代型ハッカソン「GIFTech」優勝エンジニアに聞く、ソフトスキルが拓く生成AIとの共創

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食事・入浴・休息、少しの時間でソフトスキルを伸ばすヒント

 ではどうやって工藤氏、ひととり氏はソフトスキルを磨いてきたのか。工藤氏、ひととり氏共に、上流から下流まで開発の一連の工程を経験したことも一つ。だがそれだけではない。ひととり氏は「特にソフトスキルを伸ばそうと意識したことはない」と前置きしつつも、家に戻ってご飯を食べた後や入浴時など、のんびりとくつろいでいるときにふと、「あの聞き方は良かった/良くなかった」と、よく振り返ることがあるという。「そう思ったことを自分の中で抽象化して、良かったことは他のシチュエーションでも使えるようにし、良くなかったことはそういった言い方をしないように気をつけるようにしている」と話す。

 一方の工藤氏は、「エンジニアの場合、同じ業種の人と付き合いがちなので、まったく異なる業種や職種の人と関わるのが大事かなと思い、昔から意識して実践してきました」と話すと、ひととり氏も「普段、関わりの無い人たちと話をするときは、一般的なものごとに例えて話すことで相手の理解を得るみたいなことをやっていますね」と相づちをうつ。

たった1カ月間だけど熱い。スキルアップの機会になるGIFTech

 実用フェーズでは、最終日に行われる演芸会に向けて、プロダクトの完成度を高めていく。その際に肝となったのが、「一度に全部を作らせるのではなく、人間に判断させるところを挟む仕組みにしたこと」と工藤氏は話す。都度、人が判断して良ければ先に進むという仕様にしたのだ。

 これはまさに、GIFTechで強調されている「AIがクリエイティブを創るのではなく、人間のアイデアを加速させる手助けをする。最終的に"創る"のは人間である」という考え方を体現するものだ。

 ひととり氏も「一気にAIに仕事をやらせようとすると、期待したモノは出てこない。ステップバイステップで生成することで、質の高いストーリーができるようになりました」と話す。

 GIFTechはたった1カ月。だがその時間は「非常にアツかった」とひととり氏は次のように感想を続ける。「普段の仕事もそうですが、自分たちで答えのないものの答えを探し、それを相手にぶつけるためにモノをつくる。最終日には、私たちの答えはこれだというものを4チームが出し、戦う。本当に熱い日々でした」(ひととり氏)

 しかも最終的にはクライアントに実際使ってもらい、感想も聞ける。工藤氏、ひととり氏たちがつくったプロダクトは、かるら氏から「完璧じゃないですか」と、絶賛の言葉がかけられた。かるら氏自身、生成AIの使い手であり、自身も活用を試していた。温厚なかるら氏がテンション高く喜んでいる姿を見て、工藤氏、ひととり氏は「本当に嬉しかった」と話す。

 作っていく仮定ではいろいろあったというが、メンバー内の雰囲気は非常に良かったという。「物腰の柔らかな人ばかりで、こうしたいという思いをちゃんと汲み取って、受け入れてくれるんです。例えば、コードを書いてプルリクを出したら、『実装、ありがとうございます』って返してくれる。メンバーにも恵まれましたね」(ひととり氏)

 「ハッカソンに参加するのは初めてでしたが、即席のチームでプロダクトをつくって評価されるというプロセスがすごく楽しかったです」(工藤氏)

 さらに工藤氏は参加して良かった点についても上げてくれた。その一つが、優秀なエンジニアと関わることができたこと。技術力の高さだけではない。起業していたり、サービスを立ち上げたりしているメンバーがいたからだ。「自分が受託した案件を任せたり。中には一緒に仕事を始める人も出てきていると聞いています」(工藤氏)

 エンジニアとしてキャリアを積んでいく上で、非常によいモチベーションを得られたという両者。彼らのように、スキルアップに悩みを感じているのなら、ぜひGIFTechの門を叩いてみてはどうだろうか。

ハッカソンの枠を超え、「新規事業創出」へ!

 そして今、GIFTechはその挑戦の舞台を単なるハッカソンから「新規事業創出」へと拡大している。例えば現在進行中の「伝統工芸 × AI」プロジェクトでは、職人と共に創り上げたプロダクトを実際にクラウドファンディングで販売し、事業化までを目指している。

 業務では決して得られない、プロダクトを「創り」「売る」という経験。GIFTechでは、今後も継続的にハッカソンや新規事業開発プロジェクトの挑戦者を募集していくという。最新情報は公式Xで発信されるため、興味がある方はぜひフォローして、次のチャンスを掴んでほしい。

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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