AIRの基本をおさらい
編集部
そもそもAIRってどういう技術なんですか?
西山
「Webブラウザの中でしか動けないFlashではなく、ブラウザからの制約を取り払ったFlash」というのが基本的な概念です。また、その中にAdobe ReaderとWebブラウザ、データベースが入っています。Webブラウザの外に出たけれども、Webブラウザよりもややこしいことができる、というイメージがコアです。
FlashベースなのでMac版やWindows版といった制限がなく、ランタイムが存在している環境であればどこでも動くクロスプラットフォームな技術です。
編集部
コーディングする際も気にせず書けると?
西山
コーディングする際も全く気にする必要がありません。Linux版も先日発表したのでMac、Windows、Linux上で問答無用に動きます。「俺はMac版がいいんだ!」と言っても動いちゃう(笑)
編集部
Linuxにも対応したのは、何か理由があるんですか?
西山
クロスプラットフォームで展開するというのは、Adobeの基本的な開発理念なんです。Flex BuilderもLinux版があります。
アプリケーション開発という観点でいうとLinuxは無視できないプラットフォームです。AIRが一番力を発揮するのは、リッチインターフェイスアプリケーション(RIA)。Webアプリケーションだけど、ユーザービリティがよく、フロントエンドでサクサク動く。業務アプリケーションの開発においても、UIとして使われる相性は非常に良いはずです。そう考えるとLinuxは無視できない。
編集部
AIRアプリケーションの事例は、どういったものがあるのでしょうか?
西山
アプリケーションは、開発者が自由に投稿できる
AIR Galleryというサイトで見ることができます。ここは誰でも利用するアプリケーションということで、わりとウィジェット/ガジェット系が多くなっています。
西山
また例えばSHARPさんでは、バックエンドにSAPの経営アナリティクス情報を使ったエグゼクティブ用の業務解析ツールを導入しています。このツールは、視覚的・多角的に経営データを見れて「どこが売れてない」というのが一目で分かる。
売れていない支部の箇所をクリックすると、そこの支部長にビデオが繋がって、「どうなっとんじゃ!」といえる、それはそれは恐ろしいアプリケーションです(笑)
かなり多機能なアプリケーションなんですが、これを開発した
SiTE4Dさんは、元々Web制作系からスタートした会社です。そのため、Flashで何か作れるという基本スキルがありました。
Flashに関する技術的なバックグランドがあれば、業務アプリケーションも開発でき、しかも機能追加の要望にもすぐに対応にできるというのが、いいところだと思うんですよね。
編集部
AIRの勉強をしたいときは、どこを見ればいいのでしょうか?
西山
これは結構悩みどころだったりします。英語の資料はものすごくいっぱいあのですが、やはり日本のユーザーさんは英語だけの技術情報だと取っ掛かり辛いと思うので、極力日本語化しようとは思っています。しかし、なにぶん人手不足なもので残念ながら全部は日本語化できていません。
その中から、これはぜひ日本のユーザーさんに知ってもらいたいという情報に関しては、「
Adobe Developer Connection」に掲載しています。
Adobe Developer Connection
西山
ここが基本的なAdobe技術情報のポータルサイトです。ただ、なんとかしろよという話なんですけど、Adobeの情報ってかなりあるとは思うのですが、見つけ辛いんですよね。「こんなのあったの?」みたいなことを我々も思いますので(笑)それを何とかして解決しないとなと思っています。
その1つの試みがこのWebサイトだったのですが、やはりこれでも不十分ということで、
実はAdobeの技術情報を横断検索できるAIRアプリケーションをAdobeのJapanチームで開発しています。せっかくなので、今回はAdobeをクライアントと想定して、クライアントに言われた要件をどのように具現化していくかというプロセスやプロジェクトの進め方、開発中のTipsまでのメイキング記事をこのサイトに掲載していく予定です。こういう風に進めていけば、皆さんも開発ができるのでは? という事例紹介の企画としてやってみようと考えています。今週、来週にはアップされると思います。
あとは、すごく活発に活動しているのが「
Flex User Group(FXUG)」さんですね。
弊社の轟が言うには「FXUGのBBSに書き込めば、ほぼ24時間以内に誰かしらが回答してくれる」というくらい活発で、ほとんどのFlex/AIR開発者の方が見てらっしゃるんじゃないかと思います。