インテルParallel Advisor 2011
インテルParallel Studioは、ソフトウェアの開発サイクルに合わせて利用できるツール群で構成されている。設計からチューニングまで各段階に対して、それぞれに最適なツールが用意され、開発サイクルのすべてのフェーズで並列化をサポートしている。
このうち、開発サイクルの最初の段階、デザイン・フェーズで威力を発揮するのが、新たに追加された「インテルParallel Advisor 2011」である。2009年のインテルParallel Studioリリース時に予告されてはいたものの、リリースされたのは今回が初となる。
ガイダンスを提供
インテルParallel Advisorは、並列化を効率的に導入するため、ソフトウェアの設計段階でコードを解析し、ガイダンスを提供する。ソースコード中で並列化の恩恵が得られる場所を特定し、どういった機能を使えばアプリケーションのスレッド化を実現できるかを詳細にアドバイスする。
さらに実際のパフォーマンスを予想し、効果性能を評価することもできる。
並列化をまったくやったことがない開発者でも、ステップ・バイ・ステップのインターフェイスにより、総合的な並列化が簡単に導入できる(図参照)。また、このインターフェイスによって、並列化の手順を学習することもできる。
ビルド&デバッグ ⇒ 検証 ⇒ チューニング
開発ライフサイクルで設計以降の各フェーズをサポートするツールは、インテルParallel Studioの前バージョンでも提供されていた。ビルドおよびデバッグのフェーズには「インテルParallel Composer」、検証フェーズには「インテルParallel Inspector」、チューニングのフェーズでは「インテルParallel Amplifier」だ。
今回、これらのツールもそれぞれバージョンアップしているが、役割を簡単に振り返っておこう。
インテルParallel Composer 2011は、ビルドおよびデバッグのフェーズをサポートする。最適化コンパイラやインテルParallel Debugger Extension、後述するインテルParallel Building Blocksを提供する。
インテルParallel Inspector 2011は、検証フェーズをサポートする、メモリーリークなどのメモリーエラー、データ競合やデッドロックなどのエラーを検出する。
開発サイクルの最終フェーズであるチューニングでは、インテルParallel Amplifierが利用できる。パフォーマンスを解析し、スケーラビリティを分析する。