はじめに
まだWindowsのようなGUIを持ったOSがなかった頃、MS DOSアプリケーションやワークステーションはWindowsのような「メニュー」ではなく、ファンクションキーを使ってアプリケーションの機能操作や処理操作を行っていました。Windowsのメニューも、グラフィカルでわかりやすいですが、階層が深くなってくると使いたい機能にアクセスするのに時間がかかってしまいます。
一方、ファンクションキーは1プッシュで登録してある機能を実行できるため、すぐに使いたい操作にアクセスできる便利さがあります。ただし、最大でも12個のキーしかないため、割り当てられる機能に制限が出てしまいます。
PlusPak for Windows Forms 6.0JのGcClassicFunctionKeyコントロールは、アプリケーションにファンクションキー操作の機能を設定するコントロールです。複数のキーセットを割り当てることができるため、Windowsメニューと同等の数の機能をファンクションキーに設定できます。ファンクションキー操作をアプリに実装すると、機能を実行するショートカットキーを可視化してフォーム上に配置できるため、ユーザーが使用したい機能を一目で認識できるというメリットがあります。
そこで、今回はこのGcClassicFunctionKeyコントロールを使い、RichTextBoxコントロールの機能をメニューを使わずに、3種類のキーセットを1つのファンクションキーに割り当てたアプリケーションを作成してみました。
対象読者
Visual Basic、Visual C# 2010を使ってプログラムを作ったことのある人
必要な環境
Visual Basic 2010、Visual C# 2010、Visual Studio 2010でプログラムが作れる環境。なお、本プログラムはWindows 7(64bit)で動作するVisual Studio 2010を使用して作成し、動作確認を行っています。
プログラム実行時の注意事項
PlusPak for Windows Forms 6.0Jのコントロールを使って作成したアプリケーションを配布する場合、PlusPak for Windows Forms 6.0Jのアセンブリファイルを添付する必要があります。これは、Common Language RuntimeのDLLをアプリケーションと一緒に配布するのと同じです。
本記事のサンプルアプリケーションを正常に動作させるためには、次のファイルをインストールする必要があります。
ファイル名 | 説明 |
GrapeCity.Win.PlusPak.v60.dll | 本体アセンブリ |
GrapeCity.Win.PlusPak.v60.resources.dll | 本体アセンブリのサテライトアセンブリ(※) |
上記のファイルを、プログラムを実行するフォルダに格納します。.NET Framework 2.0から追加されたクラスやメンバを使用しているため、バージョン2.0以上の.NET Frameworkがインストールされていることが必須条件です。
ユーザーインターフェースやエラーメッセージを日本語で表示するためには、本体アセンブリファイルと共にサテライトアセンブリファイルを配布する必要があります。本体アセンブリファイルを配布したフォルダに「ja」という名前のフォルダを作成して、サテライトアセンブリファイルをコピーしてください。