併設イベント代表 NVDA
NVDA日本語チーム 西本です。
コンピューターを音声と点字で操作するためのスクリーンリーダーという支援技術を取り上げて、NVDA Workshop in Japanという併設イベントを開催しました。
NonVisual Desktop Access(NVDA)はNVDAはPythonとC++で実装されたオープンソースソフトウェアで、Windowsに対応しています。ライセンスはGPL v2です。
今回NVDAプロジェクト代表であり、視覚障害の当事者でもあるオーストラリア在住のMichael CurranさんにPyCon JP 2012に参加していただきました。このイベントを支えてくださった多くの方々に感謝しております。
Michael Curranさんにはまずライトニングトークで登壇していただきました。視覚に障害があってもコンピューターが使えるようになって世界が広がったこと、Pythonは最初はインデントのせいで好きになれなかったが、言語としての魅力を理解し、ctypesなど重要な機能が備わったことで、スクリーンリーダーをPython言語で開発できるようになった、といったエピソードが誠実な口調で語られました。ちなみにNVDAのソースコードではインデントにTabコードが使われていますが、最新のNVDAでは、インデントの深さも音声や点字で効率的に扱えます。
2日目のNVDA Workshop in Japanワークショップでは、Michael Curranさんの講演にくわえて、台湾チームと日本語チームからNVDAの中国語や日本語への対応状況の報告、そして最後にEPUB3のアクセシビリティ機能でもあるマルチメディアDAISYの話題を取り上げて、NVDAのような技術が世界に貢献できる可能性を語りあいました。講演を快くお引き受けくださったJerry Wangさん、Aaron Wuさん、河村 宏さんに感謝しています。3日目のスプリントでは、NVDAの東アジア言語対応に関する関係者の話し合いや作業に加えて、午後からは日本のNVDAユーザーが集まる「意見交換会」も開催しました。両日ともに会場は人でいっぱいになりました。
ワークショップとスプリントを通じて、私たちは、視覚に障害をお持ちの方が安心して会場にお越しになれるように、介助者の同伴を許可していただいたり、最寄り駅からの誘導を行ったりしました。日本語と英語の通訳もボランティアの方にお手伝いいただきました。この点でも多くの方にお世話になりました。
併催イベントを開催して、NVDAイベントの熱気が周囲に伝わり、Python開発者の皆様がアクセシビリティに興味をもってくださったことを嬉しく思います。また私を含むNVDA開発者は「合宿」のような雰囲気で、朝から晩までNVDAについて語り合うことができました。日本のNVDA関係者だけでは困難だったこのイベントは、PyCon JP併設だったからこそ実現できました。
一方で、チケットが売り切れて参加を諦めた方がおられたことは、申し訳なく思います。またNVDAのイベントを目当てに来場された方にPythonという広い世界に目を向けていただくための努力は不十分でした。NVDAにはPythonコンソールという機能があり、音声合成などの機能を対話的に使えます。今後は日本のNVDAユーザーがPythonプログラミングにチャレンジできる企画にも取り組みたいと思います。
まとめ
今回は通常セッション以外のスポンサーや併設イベント、Sprintなどの報告でした。次回はあまりフォーカスが当たることのないイベントの裏側を支えている担当による報告です。
