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Windows Azure新機能チュートリアル

LinuxからWindows Azureを操作する

Windows Azure 新機能チュートリアル(18)

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サブスクリプションの設定

 コマンドラインツールからWindows Azureを利用するためには、サブスクリプション契約が必要です。現在、90日間の無料評価版を利用できます。申し込みには、クレジットカードが必要ですが、制限を緩和しない限り課金されることはありません。「フリートライアル」から申し込んでください(図2)。「Windows Azure サブスクリプション申し込み~サービス利用Step by Step」の手順が参考になります。

1.設定ファイルのダウンロード

 コマンドラインツール上からWindows Azureを管理するために設定ファイルをダウンロードします。azure accountコマンドを実行します(リスト3)。

リスト3 azure account downloadコマンド実行例
~$ azure account download
info:    Executing command account download
info:    Launching browser to http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=254432
help:    Save the downloaded file, then execute the command
help:      account import <file>
info:    account download command OK

 ブラウザが起動し、Microsoftアカウント(旧名Live ID)の認証画面が表示されます。サブスクリプションを保有するMicrosoftアカウントでログインすると、設定ファイルのダウンロードが促されます(図2)。設定ファイルを任意の場所に保存してください。設定ファイルには、サブスクリプションの情報と証明書情報が含まれているため、第三者の手に渡ると、自身のWindows Azureを自由に操作されてしまいます。従って、安全な場所に保存し、次のインポートを実行した後に削除してください。もし、ブラウザが起動しない場合はコンソールに表示されているURLを手動で開いてください。

図2:設定ファイルのダウンロード
図2:設定ファイルのダウンロード

2.設定ファイルのインポート

 次にazure account importコマンドを実行し、保存した設定ファイルをインポートします(リスト4)。確認のため、azure account listコマンドを実行するとインポートしたサブスクリプションとそのIDが確認できます。

リスト4 azure account importコマンド実行例
~$ azure account import ファイル名
...
~$ azure account list
info:    Executing command account list
data:    Name        Id                                  
data:    ----------  ------------------------------------
data:    free-trial  XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX

 図3は、ダウンロードからサブスクリプション情報の表示まで実行した様子です。

図3:ダウンロードからサブスクリプション情報の表示までの実行例
図3:ダウンロードからサブスクリプション情報の表示までの実行例

 参考までにazure accountコマンドの一覧をまとめました(表1)。

表1 azure accountコマンド一覧
第3引数以降 概要
download デフォルトブラウザを開きファイルをダウンロードする
import ファイル名 Windows Azureを管理するために必要な設定ファイルをインポートする
list サブスクリプションの一覧を表示する
set サブスクリプション名 サブスクリプションが複数ある場合に、既定のサブスクリプションを設定する
clear 現在保持しているサブスクリプション情報をクリアする

Webサイトの作成

 WebサイトとはWindows Azure上で動作する共有ホスティング環境です。作成後すぐに利用でき、ASP.NET、PHP、Node.jsなどアプリケーションを配置することができます。詳細は前回記事、「Windows Azure Webサイトで利用するNode.js」を参考にしてください。

1.Webサイト作成

 それでは早速Webサイトを作成してみましょう(注1

 Webサイトはazure site createコマンドで作成します。任意のフォルダを作成し、そこで作業します。引数にWebサイト名を指定してください。Webサイト名.azurewebsites.netというURLでWebサイトが作成されます。また、--gitオプションはWebサイトの作成と同時にgitの初期化を指示しますが、詳細は後述します。

リスト5 azure site createコマンド実行例
~$ mkdir codezine
~$ cd codezine
~$ azure site create codezinesample --git
info:    Executing command site create
+ Enumerating locations                                                        
+ Enumerating sites                                                            
info:    Using location East US
info:    Creating a new web site at codezinesample.azurewebsites.net
+ Sending site information                                                     
info:    Created website at codezinesample.azurewebsites.net
info:    Initializing remote Azure repository
+ Updating site information                                                    
info:    Remote azure repository initialized
+ Retrieving site information                                                  
+ Retrieving user information                                                  
help:    Please provide the username for Git deployment.
help:    If you don't have one, please configure it in the management portal.
Publishing username: commiter
info:    Executing `git remote add azure https://commiter@codezinesample.scm.azurewebsites.net/codezinesample.git`
info:    site create command OK

注1:初回のWebサイト作成について

 残念ながら初回のWebサイトの作成のみ管理ポータルから実施する必要があります。これはGit/FTP向けのユーザー情報を登録する必要があるためです。コンソールの指示に従って管理ポータルから作成してください。いずれ管理ポータルなしで作成できるようにアップデートに期待しましょう。また、Gitで利用する認証情報は、サブスクリプション内で共通に利用されます。

 

図4:初回Webサイト作成時
図4:初回Webサイト作成時

次のページ
Gitによる配置

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト statemachine(statemachine)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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