モニタリングソリューション
システムのモニタリングは、システム運用に欠かせないタスクです。問題なく動作している間は、モニタリングの必要性を感じるケースは少ないでしょう。しかし、システムの性能問題や動作不具合が発生すると、問題の切り分けにモニタリングが必要です。
Windows Azureでも、Windows Azure管理ポータルで標準のモニタリングが提供されています(図2)。物理I/OとネットワークI/O、CPU使用率が提供されています。システムの性能問題を切り分けるには、情報不足な場合があります。
標準で提供されている監視機能は、アラート通知機能や自動スケール機能がプレビュー版の提供が始まったところで、従来はWindows Azureストアで提供されている監視ストアを利用する必要がありました。また、グラフ機能はあるものの描画できるグラフは1つに限定されており、そこに最大6つまで監視項目を追加したり消したりして表示させます。長期的な運用をしていくには、さまざまな監視項目を確認するために複数のグラフをまとめて見たい場合も多く、標準の監視機能では物足りないのです。
そこで、標準の監視情報だけでは不足している性能情報の収集やグラフ表示を補足するために、Windows Azureストアでは多くの監視ソリューションが提供されています。
MetricsHubとActive Cloud Monitoring
これから紹介するActive Cloud Monitoringは、マイクロソフトが買収したMetricsHub社が提供するモニタリングソリューションです。クラウドサービスと仮想マシン、ストレージサービスの性能情報をグラフや表で表示したり、負荷状況に応じたオートスケーリング機能を提供しています。
2013年6月末に発表されたWindows Azureの新しいプレビュー機能に、[可容性モニタリング]と[アラート]と[スケール]機能があります。MetricsHub社が6月28日にBlog(※1)で、MetricsHubチームがWindows Azure管理ポータルへの機能追加に貢献したことが案内されています。そのため、新しいプレビュー機能とActive Cloud Monitoringで、できることが重複しています。また、Windows Azureのプレビュー機能の[スケール]とActive Cloud Monitoringのオートスケールを両方同時に使用しないよう、アナウンスされました。
Active Cloud Monitoringの使用準備
Active Cloud Monitoringは、簡単に使用が開始できるようになっており、接続情報をアップロードすると診断サービス経由で情報の収集を開始します。クラウドサービスは、Azure診断を有効にすれば詳細情報を収集できます。仮想マシンの場合は、MetricsHub Agentをインストールすれば詳細情報を収集できます。
Active Cloud Monitoringを購入する
Active Cloud Monitoringを使用するために、Windows Azure管理ポータルのアドオンで、Active Cloud Monitoringのサブスクリプションを購入します(マイクロソフトが買収した後、無料で提供されています)。
1)Windows Azure管理ポータルにログインする。
Windows Azureストアを使用できるアカウントでログインします。エンタープライズ(EA)契約のアカウントや日本以外の地域を選択したアカウントでは、Windows Azureストアの契約はできないので注意が必要です。
EA契約のアカウントの場合は、Windows Azureストアでアドオンを購入しようとすると、図3のようなエラー画面が表示されます。
日本以外の地域を選択したアカウントで購入しようとすると、購入確認画面で図4のようなエラーが表示されます。このケースの場合は、サポートに問い合わせても最終的に解決できず、新規アカウントを用意することになります。