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AdWords APIでレポート作成や広告の開始/停止を自動化する

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レポート作成(2)

AWQLでSQLのようにクエリを書く

 ここではレポート定義を簡便化するためのAWQL(AdWords Query Language)を使ったレポート作成の方法を見ていきます。

リスト3 criteria_download_report_awql.py
PATH = './tmp/report_download.csv'
def main(client): # (1)
  report_downloader = client.GetReportDownloader(version='v201603') # (2)

  report_query = ('SELECT CampaignId, AdGroupId, Id, Criteria, CriteriaType, '
                  'FinalUrls, Impressions, Clicks, Cost '
                  'FROM CRITERIA_PERFORMANCE_REPORT '
                  'WHERE Status IN [ENABLED, PAUSED] '
                  'DURING LAST_7_DAYS') # (3)

  with open(PATH, 'w') as output_file:
    report_downloader.DownloadReportWithAwql(
        report_query, 'CSV', output_file, skip_report_header=False,
        skip_column_header=False, skip_report_summary=False) # (4)

 実行結果は下記のように先ほどと全く同じ内容になります。コードで直接保存したためヘッダ情報がついています。

クライテリアレポート(AWQL)
クライテリアレポート(AWQL)

 コードの全体の流れは他のAPIとほぼ同じです。

 (3)クエリ作成ではおなじみのSELECT、WHEREといったSQLコマンドが並んでいます。

 WHERE以下でステータスが有効か一時停止のものに限定しています。

 DURINGで期間指定をします。AWQLの詳細はリファレンス「AdWords クエリ言語(AWQL)」で確認できます。

コードのカスタマイズ

 ここでAWQLを用いて別のデータをレポートとして取得する方法をみてみます。

 例として品質スコア(広告の掲載順位を決定する評価指標のひとつ)を取得してみましょう。品質スコアはキーワードごとに決定されますので、ReportTypeとしてKEYWORDS_PERFORMANCE_REPORTを指定します。

 またfieldsとして品質スコアを示すQualityScoreを指定します。それぞれFROM句とSELECT句で指定します。

リスト4 品質スコア取得のためのクエリ記述
report_query = ('SELECT CampaignId, AdGroupId, Id, '
              'QualityScore, Impressions, Clicks, Cost '
              'FROM KEYWORDS_PERFORMANCE_REPORT '
              'WHERE Status IN [ENABLED, PAUSED] '
              'DURING LAST_7_DAYS')#(3)

 実行結果は下記のようになります。品質スコアがQualityScore項目として取得出来ました。

キーワードレポート
キーワードレポート

 このようにSELECT句でFieldsの項目を指定し、FROM句でReportTypeを指定すれば、さまざまなレポートを取得できます。

 分析時によく使われるReportTypeは下記です。

  • AD_PERFORMANCE_REPORT
  • ADGROUP_PERFORMANCE_REPORT
  • CAMPAIGN_PERFORMANCE_REPORT
  • KEYWORDS_PERFORMANCE_REPORT

 例えば下記の様に指定すると、広告グループ単位で「表示回数」「クリック数」「費用」を取得します。

'SELECT AdGroupId, Impressions, Clicks, Cost FROM ADGROUP_PERFORMANCE_REPORT '

キャンペーンの停止・開始

 AdWordsキャンペーンこどの広告表示を、自社システムと連結して(例えば在庫情報にひもづいて)自動で停止・開始などができれば便利です。CampaignServiceのmutateメソッドを用いればそれが可能です。使い方を見ていきましょう。

リスト5 campaign_update.py
  campaign_id = 'CAMPAIGN_ID'
  operations = [{
      'operator': 'SET',
      'operand': {
          'id': campaign_id,
          'status': 'PAUSED'
      }
  }] # (1)
  campaigns = campaign_service.mutate(operations) # (2)
  print(campaigns)

 コードの流れはここまでに見てきたものと共通なので、ポイントとなる部分だけを抜粋しています。

(1)メソッド実行に必要なデータを作成

 AdWordsサービスオブジェクトに渡すためのオペレーションを作成し、operatorとoperandを記述します。

 オペレーションではこれから行いたい操作に関する情報を指定します。operatorには操作の種類を指定します。今回は更新を行うため`SET`を指定します。operandには行いたい操作の情報を指定します。今回はキャンペーンを一時停止するためにstatus: PAUSEDを指定します。

 CAMPAIGN_IDの箇所には更新したいキャンペーンIDを入れてください。

(4)メソッド実行

 オペレーションをAdWordsサービスオブジェクトのmutateメソッドに渡し、実行します。

 ここまででAPIをプログラムから操作する方法を確認していきました。

 AdWords APIでは各サービスのメソッドとしてgetとmutateの二つが共通で用意されます。getメソッドで取得を行います。mutateにはoperatorとして`ADD`,`REMOVE`を指定する事でそれぞれ作成・削除の操作が可能です。つまりデータベースでいう取得・作成・更新・削除の操作は、AdWords APIではそれぞれget、mutateの`ADD`,`SET`,`REMOVE`を指定して行う事になります。

まとめ

 AdWords APIをを用いて、レポート作成とキャンペーンの停止・開始をプログラムから操作する手順を確認していきました。APIを活用することで、従来は人手でやっていた作業をプログラムに代替させることができます。APIを活用して作業の自動化に挑戦してみてください。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 西 潤史郎(ニシ ジュンシロウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook<個人紹介>フリーランスとしてデータ解析エンジニアとして主にビッグデータ関連の仕事をしています。TableauなどBIやビッグデータ処理などビジネスデータ解析環境の構築・運用、また解析系のアプリケーション開発やGoogleアナリティクス活用支援などを行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/9466 2016/06/22 14:00

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