アホになることは、自らの可能性を信じること
入社後、遠藤氏は2カ月ほどOJTを受ける。社内勉強会のスケジュールアプリを開発したり、同社の「有給取り放題制度」や「勉強し放題制度」を活用してAWS Summit Tokyoに足を運んだり、QiitaやNoteでブログを書いたりと、研鑽を続けていく。
その後、大規模案件へのアサインが決定した。この案件では、サーバーサイドの技術としてKotlinとSpring Bootを使用する。案件が本格的に走りだす前に、これらの技術を事前に学習しておく方針となった。
だが、当時はSpring Bootのバージョンが2.0に上がったばかり。書籍やWeb上にはそれほど情報がない。さらに、Kotlinを学ぶうえではJavaの基礎知識が必要となる。遠藤氏にとって未経験のSpring BootやKotlin、Javaについて地道に学ぶ日々が続いた。
案件が本格的にスタートしたころ、遠藤氏は先輩から声をかけられる。「コーディングだけではなく、設計もよろしく」と。
「『いやいや先輩、私は未経験です。無理ですよ』と返したのですが『未経験だけど設計ができましたって言えたらカッコいいじゃない。フォローするから頑張ってよ!』と先輩は言ってくれました。やる気が出ましたね。こういう言葉に、私はめっぽう弱いんです(笑)」
遠藤氏は、要件定義から論理設計、物理設計に至るまで、あらゆる業務にチャレンジする。すべてが新鮮な体験。だからこそ、1日に何度も「わからない」の壁にぶつかる。この解決策として、遠藤氏は「賢いアホになる」ことを選択する。
「私は新人でポテンシャル採用ですから、大きな失敗ができるのも今のうち。失敗前提でやろうと思いました。とにかく設計して、書いて、レビューを依頼。間違っていればすぐ修正して、PDCAを回します。これが『賢いアホ』です。先輩にフォローしてもらいながら、3カ月で一通りの設計ができるようになりました」
設計フェーズの後は、バッチのコーディングに着手する。だが、Spring Batchが2019年4月にメジャーバージョンアップして情報が不足していることや自身のスキル不足などが相まって、思うように実装が進まない。
そこで遠藤氏は、社内のメンバーにとにかく質問し、各エンジニアのナレッジを吸収していった。「やっとバッチが動いたときは、心の底からうれしかったです」と遠藤氏は笑う。
現在(2019年11月30日の登壇時)はAPIの開発をしており、これから外部結合を行う予定だという。
「『アホになる』とは、自分の心理的障壁を外すこと、自らの限界に挑戦することです。無理難題にぶつかったとき、みなさんも『アホになる』選択肢をとってみませんか? だって、私たちはまだアンダー30なんですから」
未経験からエンジニアになった遠藤氏は、数多くの困難に直面しながら、成長を続けてきた。その足跡からは「自らの可能性を信じる」ことの意義が、十二分に感じられた。
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株式会社ゆめみ