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女性の学びを支援する団体や技術コミュニティの世界

Python初心者から上級者まで、女性エンジニアをつなぐコミュニティ「PyLadies Tokyo」で楽しく学びませんか?

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 女性のエンジニアの数は、男性と比べるといまだに少数である。周りに同性がほとんどいない、目指すべきロールモデルが少ないことから、将来のキャリアやスキルにおいて悩みを抱えている人も少なくない。そこで今回は、Python好きであれば初心者・熟練者問わず、誰でも参加できる女性向けPythonコミュニティ「PyLadies Tokyo」を紹介。その設立背景や活動内容、エンジニアとして働くPyLadies Tokyoの女性スタッフの石田真彩さん、なつこさんにお話を伺った。

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たった1人で立ち上げた女性向けPythonコミュニティ「PyLadies Tokyo」

――まずはPyLadiesおよびPyLadies Tokyoがどういった経緯で設立に至ったのか、誕生した背景について教えていただけますか。

石田真彩(以下、石田):PyLadies自体は、もともとアメリカのサンフランシスコでスタートした世界的な女性向けコミュニティです。現在150を超える世界のリージョンが存在し、グローバルなPythonのコミュニティ団体と位置づけられています。

 当初は女性のエンジニアが少なかったため、PyLadiesという団体を作ってPSF(Python Software Foundation)に参加する人のジェンダーギャップをなくそうというところからスタートしております。

 日本には現在、「Tokyo」「Kyoto」「Okinawa」という3つのリージョンが存在しており、その中でも一番古株なのがPyLadies Tokyoです。2014年の9月にたった1人の女性が立ち上げました。毎年9月に開催している「PyCon JP」というカンファレンスイベントのポスターセッションで告知してメンバーを集め、イベントをスタートさせたのがきっかけですね。現在は1000人を超えるまでに拡大しました。

──お二人は現在どのようなお仕事をされていますか。また、エンジニアを目指したきっかけを教えてください。

なつこ:現在は、ECサイトを運営する会社でプロダクトマネージャー(以下、PM)をやっています。新卒ではSIerに入社し、データアナリスト職、PMとジョブチェンジしました。データ分析やエンジニアとして開発するよりもPMの方が性に合っているかもしれないと思い、思い切って転職しました。

 IT業界に興味を持ったのは、大学時代にアメリカで1年留学していたときです。現地のエンジニアの方たちの話を聞いているうちに感化され、自分でもやってみようとプログラミングの勉強を始めました。

石田:私は哲学を専攻していました。当時のIT企業が開催していた大学説明会に参加し、コードを触らせてもらったことがきっかけで、IT業界に入りました。新卒で入社した会社では、既存コードの改修やテスト業務をメインでしていました。

 あるとき、「このままだと、エンジニアになれないまま3年目が終わってしまう」と思ったのが最初の転職のきっかけでした。私の中での目指すべきエンジニア像は、設計や開発、テストもできるイメージだったのに、まだその頃の私はコードを書くことさえもままならない。もう給料が下がろうが、一度環境を変えて自分を谷に落とそうと思い、ベンチャー企業に転職しました。

 この企業では営業に近いミーティングから現場のヒアリング、開発まで全てに少しずつ携わるようになりました。そのときにいろいろやらせてもらったおかげで、エンジニアとお客さまの間に入り、それぞれの言いたいことを翻訳する作業は向いていることに気がつきました。そこで、開発に特化したスキルアップを目指すのではなく、プロジェクトマネージャーやプリセールスという領域にスキルチェンジ。現在もプリセールスをメインに仕事をしています。

石田真彩さん
石田真彩さん

大学卒業後SI企業にて既存コード改修やテスト業務を担当。その後複数企業を経て現在はクラウドソリューションのプリセールスに従事。

なつこさん
なつこさん

大学卒業後SI企業にて新規開発やテスト業務を担当。その後複数企業を経て現在はプロダクトマネージャーに。

運営をやってみたい人、よく顔を出してくれる人はスタッフとして歓迎

──その後、どのような経緯でPyLadies Tokyoの運営に携わることになったのでしょうか。

なつこ:私は大学卒業まで地方にいたので、就職と共に上京してきたんですね。東京では勉強会やコミュニティ活動が活発だと知り、PyLadiesの合宿に参加したのが最初で、そこから2年くらいは参加者として参加していました。

 一度PyLadies Tokyoから離れた時期があったのですが、「お久しぶりです」といった感じで参加してみたら今度は「スタッフやらない?」と声をかけてもらい、「じゃあ、やります」ってスタッフ側に回ることになりました。

石田:スタッフとして声をかけるのは、やはり顔を出している回数の多い人ですね。初めましての人をいきなり運営に誘うのは難しいです。コミュニティの運営が好きな人なのかどうかもわからないですし、コミュニティに合うかどうかもわからない。でも、何回も参加してくれたり、なつこさんのように一度離れてまた戻ってきてくれたりするのは、少なくともこのコミュニティには興味を持って来てくれているので、懇親会で仲良くなって誘うことはあります。

 一方で、自分で「運営をやってみたいです」と、勇気を振り絞って言ってくれる人もいるので、そういう場合は「やってみなよ!」って背中を押す形で受け入れることが多いです。

──石田さんはどんな経緯でしたか?

石田:2社目のベンチャー企業で、一緒に働くエンジニアさんたちがPyCon JPに参加している人や、Javaのユーザーグループに参加している人がいらっしゃったんです。私は行ったことがなかったのですが、そのときの上司に「PyLadiesっていうMeetupが始まるらしいから行ってきなさい」と言われ、PyLadies TokyoのMeetup #1に参加したのがきっかけです。実は私、Pythonを書いたことがなかったのですが、コミュニティの雰囲気や居心地の良さもあって、運営に誘ってもらいました。もちろん即「やります」と返答しましたよ。

イベントテーマはWeb、分析、スクリプト系、IoTなど、満遍なく実施

──PyLadies Tokyoの具体的な活動内容についてお聞きします。イベント自体の流れや取り組み、運営の方法、どんな人が参加しているのでしょうか。

石田:基本的には、月1回のミートアップを必ず継続することを目標にしています。イベントもレベル感は特に決めていなくて、初級のイベントもあれば中級のイベントもあります。Pythonは、Web系の人や分析系の人、スクリプト系の人、IoT系の人など異なる業界で、それぞれ別の分野にはあまり興味がないことも多いので、1つの業界に特化しないようにしています。

 オフラインでやっていたときは会場を借りていました。多いときは50人ぐらい集まり、少ないときは5人でも実施しています。人数にあまりこだわりを持たずにやれるだけやるというスタンスでやっていました。イベントスタイルは、セッション形式やグループワーク形式、LT(Lightning Talkの略称で、ショートセッション形式の発表のこと)、ハンズオンなどで、オンラインになってからはZoomを使ってもくもく会やグループワーク形式の読書会などが多いですね。

──今はセッション形式のイベントは難しいですか?

石田:このコロナ禍の状況で、登壇者を募るのは難しいところがあります。これまでは、懇親会で登壇者を探すことが多かったのですが、イベントや懇親会に参加する人が減ってしまいました。特にPyLadies Tokyoの運営は、お子さんがいる方が多いんですね。なので、できる範囲で無理をしないイベント立てをする。ただし、必ず1カ月に1回は継続して開催して、ちゃんとみんなの居場所を守れるようにしています。

 PyLadies Tokyoとして毎年絶対開催すると決めているのが、毎年10月にあるアニバーサリーイベント(周年記念イベント)です。去年もオンラインでやりましたが、今年も頑張って開催したいです。

PyLadies Tokyoについて(connpassより)
PyLadies Tokyoについて(connpassより)

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この記事の著者

馬場 美由紀(ババ ミユキ)

 エンジニアとテクノロジーが好きな編集・ライター。エンジニア向けキャリアサイト「Tech総研」「CodeIQ MAGAZINE」、Web技術者向けの情報メディア「HTML5 Experts.jp」などでライティング、コンテンツディレクション、イベント企画などを行う。HTML5 開発者コミュニティ「h...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

鍋島 英莉(編集部)(ナベシマ エリ)

2019年に翔泳社へ中途入社し、CodeZine編集部に配属。同志社大学文学部文化史学科卒。

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https://codezine.jp/article/detail/14605 2021/08/24 11:00

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