開発者がプロダクトに提供できる価値とは
最後に、開発者にとってプロダクトエンゲージメントとは何なのかについて語られた。
開発者の仕事は最終的なプロダクトに価値を乗せ続けるということ。では、そのプロダクトの価値とは何かと考えたときに、まずは応答速度・計算速度・扱えるデータ量などの「普遍的価値」があり、その上に機能や体験といったプロダクト開発者が提案する価値があるという。
「その中にはユーザーが欲しい価値とユーザーが気づいてない価値があり、それらを機能として開発者が提案し、実装してカタチにしたものがプロダクトというものだと思います。そこで開発者がどれだけ消化できるかが、重要になってくるでしょう」(橋田氏)
橋田氏いわく、プロダクト開発者が提案する価値は2つに分かれる。1つはプロダクトのドメインとして知り得る価値。例えば、データベースの知識や関係演算の知識など、開発者として学習することで価値は高くなっていく。もう1つは、業務や利用方法を知ることで生み出せる価値だ。製品の使われ方がさまざまであればあるほど、ユーザーがその製品に期待することは多くなる。
「特に製品独自の価値を載せていくことは、とても重要だと考えています。現場に出てそのフィードバックを得ていくことで、プロダクトに価値を乗せる醍醐味であり、難しさでもあると思います。実際にユーザーの顔を思い浮かべながら開発できることが最も大切なことだと言えるでしょう」(橋田氏)
「書を捨てず、街に出よう」という言葉には、プロダクトエンジニアが良い製品やサービスを作るためには、現場を知ること。そして関わる方々の信頼と期待が生命線になってくるといったメッセージが込められているのだ。